Hydrangea game

□Hydrangea game Stage,1
18ページ/89ページ



「で、誰が行くか決まったのかい?」
「二階は、三階の方が危険と判断して三階が決まり次第編成します。宮地さん、高尾に出てもらう事を考えて緑間の起用を検討してはいます」

私が尋ねると赤司くんはすんなり答えてくれる。サバゲーもチームプレイに通じる点もあるからよく知っている子の方が良い事が多い。こっち見たりしてた割に考えられていると感心した。というか、ながら作業が出来て羨ましい。
ショウちゃんの方も纏まってはいたらしい。目を向ければすぐに話し始める。

「緑間なら持ってって大丈夫や。こっちは、伊月なら大丈夫やと思うが相性を考えてワシが行くで。後は見つかっとらん奴らホンマにデカイからなあ、岡村くんにサポート役として出てもらう」

相性とはなんぞ。と一瞬思うも、マコちゃんはゲスいから何かトラブルでもあったのかと考え直す。で、デカイから岡村ってどういうことだ?

「ちーちゃん。岡村くんって?」
「何故俺に聞く」
「ショウちゃんに聞きたくない。マコちゃんは素直じゃない。赤司くんなら答えてくれそうだけど、こう、身分が違い過ぎて話し辛いイメージがあってさ」
「ワシの扱い酷ない?」

理由を話せばショウちゃんに突っ込まれ、マコちゃんは眉を寄せて、赤司くんは苦笑する。ちーちゃんが納得したかのように一瞬遠い目になったのが印象的だった。

「あそこ。デカイのが二人いるだろ?」
「ん、細い子とがっしりした子」
「その、ゴリラの方」
「ブフォッ…」

ちーちゃんがナチュラルにゴリラと言ったため思わず噴いた。確かにゴリラっぽい、と納得してしまったから。あだ名がモアラ、モミアゲ+アゴ+ゴリラの略だと聞いて余計に腹筋が痛い。何それ可哀想。笑える。
ひとしきり笑えばショウちゃんがまた続きを話す。

「もうええ?」
「ああ、うん。ごめんごめん」
「ほな。後一人、黄瀬を連れて行こ思うとるんやけど、先輩、マンツーマンで黄瀬を指導してやってくれへん?」
「黄瀬くん?彼だけ?何でまた。しかもわざわざマンツーマンで?探索前に?」
「せや」

ショウちゃんが言うには、彼は運動神経とそれを操る勘だとか観察力などが良いらしい。バカなのに。自分の能力以下のことなら大抵一発で身につく。まるでコピーするかのように。アホなのに。だから見本を見せてやって欲しい、と。
かなり意訳したが彼の能力的なモノのためらしい。センスは悪くなかったそうだ。解せぬ。
合間の辛辣なセリフはショウちゃんセレクトで、私が思ったことではない。と思いたい。

「オッケー。でも、もしかしたら体格的にキヨのが良いかもよ。動き方とか身のこなしはキヨに任せて、狙うことは私が指導する。コレに関しては私の方が上だけど、動くことの方はキヨの方が運動神経的に上だよ」

一通り教えた方が頭が働く。人の技を見て覚え、応用して使用するならば取り敢えず詰め込むのが良い。但し使える知識のみ。
と、まあここまで言い訳したが、実際のところ、二人で分担するのは私が準備する時間も稼げるようにだったりする。箱出し状態でもそこそこ使えるが、少しカスタムしたい。特にドラグノフ。ちょいと煩かった。あとドットサイトの調節が必要か。
ショウちゃんは諸々、裏まで把握したらしく頷くとソファーから立ち上がる。

「そないな感じでよろしゅう。宮地くんと黄瀬呼んでくるわ」
「ん。先に狙いの付け方教えるから、キヨにはゆっくりしてからおいでって言っといて」
「おん」

「では、俺は各校代表を集めてミーティングを行います。今吉さん、三階のメンバーへ声掛けもお願いいたします」

●●
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ