Hydrangea game

□Hydrangea game Stage,1
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二階から踊り場まで降りればもう大丈夫だとみた高尾くんが私に体当たりをしてきた。かなり優しかったからよろけもしなかったが。

「みのりサン、チョーびびったよー」
「ありがとね、高尾くん。お陰様で無傷だよー」
「んーん!ホント良かった!」

嬉しげに話してくれる高尾くんが可愛くてつい私よりだいぶ上にある頭を撫でる。彼はキョトンとした後ににっと笑ってくれた。あざといなあ。
そこで誰かに撫でていた手を取って止められる。そしてそのまま手を下ろされた。って、繋いだままですか。

「おい、高尾。調子に乗るな。埋めんぞ」
「話してただけっすよー、宮地さん」
「キヨも調子に乗るな」

邪魔してきたのはキヨだった。顔が怖いのは不機嫌の証だ。高尾くんは慣れた調子で怖がっている様子はない。流石、キヨの後輩やってるだけある。笑いながらキヨに軽い体当たりをして手を離して貰う。チッっと舌打ちの音が聞こえたが気にしない。気にしたら負け。
キヨを無視してすぐ前にいる手当てを受けていた赤髪の子に話し掛ける。

「足、大丈夫?」

ジャージを捲り上げられたままの足には痛々しく包帯が巻かれている。彼はこちらを見てキョトンとした後に頷いた。うん、こっちは天然あざとい感じ。テライケメンワロス。

「大丈夫だ、です。慌てて机に脚ぶつけただけなんだ、です」
「すみません。火神くんは敬語が得意でなくて」
「わっ!あ、うん。良いよ。敬語無くても大丈夫、気にしないで。火神くん、お大事に」
「あざっす!」

うわ、ちょーびびった。火神くんとやらに話し掛けたら水色の髪の少年の声が火神くんとの間から聞こえた。ステルス機能搭載ですか。サバゲーに便利そう。羨ましい。
火神くんには無難な言葉を掛けていたら、丁度職員室へと到着した。
連れてきた彼らもばらばらと散る。とはいえ自分の学校の所へと行った感じか。応接用のテーブルの周りにはショウちゃんにマコちゃん。赤司くんがそこに合流すると。参謀本部さながら。知り合い率高いけど彼処には混ざりにくいな。キヨ達秀徳はなんか物々しい。さて、どうしましょう。

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