▲ SEVENTEEN Novel ▲

□気になること
1ページ/3ページ



僕に足りないのは何だろう?
ふと布団に入った瞬間思った。
歌唱力もあるし、容姿だってダイエットしてカッコよくなったって皆言ってくれる。
バラエティー力だってある。
僕って結構すごいんじゃないだろうか。
そう思ったがジョハニヒョンに言われたことを思い出す。

「お前、本当によく喋るよな。
気品とかさ色気が足りない!色気が!」

気品?色気?
確かに僕には程遠い言葉かもしれない。
でもアイドルにそんなのいるのかな。
そんなことを考えているといつの間にか寝てしまって次の日にはこのことを忘れていた。


今日は練習室で皆でダンスの団体練習をする日だ。
汗だくになりながら踊り、休憩で壁にもたれて座っているとウォヌヒョンが目に入った。
ウォヌヒョンは服の袖で汗を拭っている。
その姿が僕には大人っぽくみえてカッコよく思えた。
ウォヌヒョンは僕と違って背が高く声も低い、いわゆる大人の男に見えるのだ。
ジョハニヒョンが言っていた色気というのはこんな感じなのだろうか。
うん、無理だな。
僕とウォヌヒョンとは身体的な意味も含めてジャンルが違う気がする。
少しは憧れるが理想と現実は違うものである。
この結果に1秒もかからず至ってしまった。
丁度、リーダーが休憩の終わりを告げたので気持ちを切り替え練習に励む。


ハンソラと2人で話しながら風呂に入る。
アレだけの人数だ、まとめて入るほうが効率がいい。

「なー、スングァナ。
ウォヌヒョンと何にかあったの?」

「ん?…ん゛ん゛っ!!」

急なハンソラの言葉に驚きシャンプーが目に入り思わず声を上げる。
涙目になりながら聞き返す。

「僕とウォヌヒョンが何?」

「いや、気づいてないのかもしれないけどお前すっごい見てるから。」

「だから何を?」

「だーかーらースングァナがすっごいウォヌヒョンの体見てるからどうしたのか聞いてるんだよ!」

最後は若干怒鳴り口調になっている。
僕がウォヌヒョンの体を見てる?
そんなつもりはない。
第一、男の体を見るくらいなら可愛い女の子を見ていたい。

「本当に気づいてないのか!?」

驚いたハンソラが僕を見る。

「気づいてるも何も見てないもーん。」

相変わらず疑いの目を向けるハンソラ。
僕の言ってることを信じてくれないのが不満で頬を膨らます。
そんなに僕はウォヌヒョンを見ていたのだろうか。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ