▲ VIXX Novel ▲

□曖昧な関係から 下
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もうすぐ時計が7時を指す頃、冬の寒空はすでに暗く道の街灯が僕を照らす。
特に接点のない先生と歩きながら会話していると話題は必然的にレオの話になった。
最初はレオの話をしていたがだんだんと僕とレオの関係の話に話題が変わっていた。
思い出話をするような感覚で懐かしいと思いながら話していると、あっという間に先生の自宅に着いた。

「お邪魔します。」

「どうぞ、どうぞ〜。
お茶の準備するからソファーに座ってて。」

「ありがとうございます。」

勢いで来てしまったが考えてみれば他人の家だ。
ものすごく気まずい。

「ごめん、ちょうどお茶なくなったの忘れてたから買ってくるよ。
少しの間だけどお留守番お願いしていいかな?」

「僕、喉渇いてないので大丈夫です。」

他人の家で留守番など怖すぎる。
先生が帰ってきたとき何て言えばいいんだ、おかえりなさいとか?
頭をフル回転するが気まずいのでお茶を断ろうとするがすでに出かける支度をし始めている様子だ。

「私が喉が渇いたんだよ。
悪いが少しの間お留守番よろしくね。」

そう言って出かけてしまった。
体育科の教師とは思えぬ物腰の柔らかさがあるが、なぜか断らせない妙な迫力があると思う。
部屋も男の1人暮らしにしては整理整頓がされている。
部屋を見渡していると奥にカーテンに仕切られた部屋があるのが見える。
綺麗な部屋の中でそこだけが気になり、ダメだとはわかっているが僕の好奇心は抑えれそうにない。
カーテンを少しよけて中を見るが暗くてよくわからない。
思い切ってカーテンを全部端に寄せる。
するとリビングからの光が奥の部屋に入り、電気をつけなくてもこの部屋がどんな部屋かわかってしまった。

「ぼ、僕……。」
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