▲ GOT7 Novel ▲
□外泊の理由
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ボクは久しぶりの半日オフの日をもらい、大好きな服を買いに行った。
つい夢中になり気づいたらもう外は暗くなり、街の街灯が道を照らしていた。
急いで店を出たボクは、ふと反対側の歩道を見るとジニョンヒョンらしき人が見えた。
だが隣には見たことのない30代くらいの背の高い男性がいて、ジニョンヒョンに良く似た人の肩を抱いて歩いていた。
ヒョンの家族にもあったことあるけどあんな人見たこと無い。
「良く似てるような気もするけど、人違いかな?」
不思議に思っていると2人は通りの角を曲がり姿は見えなくなった。
ボクは寮に帰るなりジニョンヒョンの部屋を見に行く。
やっぱり気になるのだ。
それにジニョンヒョンに似た人は泣いている様にも見えた。
ヒョンの部屋のドアを開けるがやはり姿はない。
あれは本当にジニョンヒョンだったんだろうか。
ドアを閉め自室に戻ろうとした時だった、マークヒョンがいた。
「ジニョン、知らない?」
マークヒョンの言葉に少しドキッとしたが、本当に本人かはわからないため不自然な間が空いてから答える。
「…知らないよ。ボクも探してたんだ。」
「そうか。」
マークヒョンの表情がいつもより暗い気がする。
ボクの気のせいかもしれないけれど「知らない。」と答えた後はさらに苦しそうな表情に見える。
ボクはそれとなく聞いてみる。
「何かあったの?」
いや…と言葉を濁すマークヒョン。
ジニョンヒョンも心配だがマークヒョンの話に興味を惹かれる。
そこでボクはさっきの出来事を話してみた。
「実はさ、ジニョンヒョンに良く似た人見かけたんだ。
隣に知らない人が居たから人違いかと思ったんだけど…。」
案の定マークヒョンは目を見開いていた。
そして眉間の皺が深くなる。
「それから?」
そう聞いてくるマークヒョン。
ボクは意地悪に質問する。
「どうしてそんなにジニョンヒョンの事気にしてるの?
マークヒョンが事情教えてくれないならボクもこれ以上は話さないよ。」
単純に興味があるのだ。
いつも静かなヒョンがジニョンヒョンの事で表情がコロコロと変わる。
元々仲はいい2人だがこんなに行き先まで心配するものだろうか。
「わかった。
でも他のやつらには言うなよ。
他に知ってるのはオレとジェボムだけなんだから。」
「うん。」
「最近ジニョンの夜間外出多いんだ。」
いわれて見れば夜に相談をしようとジニョンヒョンの部屋に行くと居なかったり、お風呂から出たときに上着を着て外出の準備をしているヒョンの姿が思い出せる。
確かソロ活動のスケジュールなんかもなかったはずだし。
「それにジャクソンがソロのラジオ番組の収録後に携帯で呼ばれて宿舎から出てくジニョンの姿を見たとも聞いた。
その日ジニョンは次の日の朝に帰ってきた。
本人にも聞いてみたけどそれとなく誤魔化されて結局わからなかった。
オレたちアイドルにとってはスキャンダルは控えたいけど本当にそうかもわからないし…。
同じ事をジェボムも思ってたみたいで、相談していたんだ。
だから見たこと話して欲しいんだ。」
思ったよりも深刻そうな悩みで驚いた。
だが、まさかジニョンヒョンに隠し事があったとは知らなかった。
それもリーダーのジェボミヒョンも仲のいいマークヒョン、誰一人として知らないなんて。
「ボクが見たのは知らない人に肩を抱かれて歩いているジニョンヒョンだよ。
下向いてたし本当にジニョンヒョンかわかんないけど…。」
「相手はどんな奴だった?」
「うーん、30代前半くらいだと思うんだけど…。
背の高くて、筋肉もほど良くついていて普通で言えばカッコいい感じの人だったよ?」
ボクもしっかり見てたわけではない。
ヒョンを見ると何かを考えているようで言葉はない。
「なぁお前、演技できるか?」
突然の質問に驚きながらも「うん」と答える。
幼少期はCMなど演技の仕事をしていたことがある。
「ジニョンが帰ってきたら、今日どこで何していたか聞いてくれないか。
オレは前のこともあってその話題すらできないから。」
「うん、わかった。」