▲ GOT7 Novel ▲

□伝えない思い
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ヒョンは気づいてないかもしれないけれど、ボクもう子供じゃないよ。
気づいてよ、ヒョン。


「BamBam〜、キスして〜。」

ジニョンヒョンは自分の頬をトントンと叩いて、ニコッと笑いながらボクを見る。
また子供扱いである。
練習生時代はマークヒョンの影響なんかもあって挨拶程度だと思っていた。
成長するにつれて常識もわかり、今は恥ずかしくてできない。

「イヤっ!」

ボクはプイッとジニョンヒョンと反対側に顔を向ける。

「僕のBamBamが大人になっちゃったよ〜。」

そう言いながらマークヒョンに抱きつく。
マークヒョンは「まあまあ」なんて言いながらジニョンの頭を撫でる。
そんな姿を見てなぜか胸がもやもやした。

「ジニョンヒョン!」

気づいたらジニョンヒョンの腕を引っ張ってボクの方に引き寄せていた。
成長期ではあるがまだジニョンヒョンよりボクの方が低いのが悔しい。
これでも昔より差は縮まっている。
この調子で成人する前にはジニョンヒョンより大きくなる予定だ。


引き寄せて抱きしめているジニョンヒョンは、最初は驚いていたが少しするとボクの頭を撫でてくれた。
気持ち良いが、やはり弟の様に見られているような気がする。

「ベムや、どうしたの。
悩みでもあるのか?」

ボクの気持ちなんてこれっぽっちも知らないジニョンヒョンの優しい質問に胸が痛む。

今思えばジニョンヒョンが気になり始めたのは、デビュー前。
ボクがまだ練習生時代の頃である。
その時ジニョンヒョンはジェボミヒョンと一緒にJJ projectとして活動していた。
その頃ボクは今よりもずっと韓国語が話せなかったし、ドラマの撮影の後に練習に来たジニョンヒョンはカッコよく見えて挨拶するので精一杯だった。
「あにょはせよ。」とつたない韓国語で挨拶をするとボクに気づいて挨拶を返してくれた。
それだけでも嬉しかった。
それからというもの練習室が被るとダンスや韓国語の発音など教えてくれた。
ジニョンヒョンだって活動中で忙しいはずなのに。


GOT7としてデビューが決まった時は嬉しかったし、何より憧れのジニョンヒョンと一緒に居られる。
デビューしてしばらくするとボクは風邪をひいた。
慣れない生活で熱が出てしまったのだ。
その時誰よりも一緒に居てくれたし、次の日の朝、リンゴをウサギさんの形に剥いてくれた。

「ちょっと子供ぽいかもしれないけど…。」

次の日の朝にはそう言いながら持ってきてくれたリンゴはウサギさんの形に剥かれていた。
練習生になり親と離れて暮らしているボクにとってはとても心があ叩くなり、嬉しくて泣いてしまったのを今でも覚えている。
つきっきりの看病をしてくれたジニョンヒョンを大好きになったのだ。
この気持ちを自覚してからは嫉妬と我慢の連続である。
ジニョンヒョンは面倒見の良さから他のメンバーに人気である。
でもボクの気持ちを伝えるのは怖い。
もし受け入れてもらえなかったらどうしようと思うと言えないのだ。
今の関係が壊れるのは嫌だ。
だから、だから、ヒョン。
もう少しだけこの片想いを続けてもいいですか?


2015.12.17

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