▲ GOT7 Novel ▲

□飲んでも呑まれるな
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20歳をすぎた頃からたまに二人で飲むことがある。
歌手であるため普段は飲まないし、マンネ達はまだ未成年のこともあって飲む機会自体が少ない。
だが今はこれと言うきっかけもなかったが12時を過ぎた頃くらいだっただろうか、飲み始めた。
最初は少しの愚痴と今までの活動を振り返って反省などをし、そしてこの二人でいるとどうしても二人でJJとしてデビューしたことの話になった。
話はだんだんと盛り上がっていった。
盛り上がっていて気がつかなかったのだ、お互いいつも飲む量より多いことに。


自分の頭がチリッと痛み、その痛みで我に返る。
ジニョンの方を見るといつもと同じくニコニコとしているが若干目がトローンとして目が据わっていた。
ジニョンもいつも以上に飲んでいた。
これはさすがに明日の仕事に関わると思い、まだ飲もうとするジニョンの手を掴む。
その行動にムッとしたのかジニョンは、ほっぺを膨らまして怒ってるという子供っぽい表情をした。

「ジェボミや〜、最近僕に冷たくない?」

泣きまねをしながら俺に抱きついてくる。
完璧に酔ってる。
かといって放っておくわけにもいかず俺は「よしよし」と頭や背中を撫でてやる。
しばらくすると大人しくなったジニョンから酒の入ったグラスを手からはずす。
酔いがまわったのかすうすうと規則正しい寝息が聞こえる。
このままここに居るわけにもいかず、抱きつかれたの利用してそのままお姫様だっこをして立ち上がる。


ジニョンは1人部屋を使っているが、部屋に入ると綺麗な状態であった。
こういうところにも性格が出ているのだろう。
綺麗に整えられたベッドの上にジニョンをそっと横たわらせる。
寝心地が良いのか「うんうん」言いながら枕元にある大きめのぬいぐるみを抱きしめていた。
ジニョンも部屋に戻した。
自分も自室に戻ろうとすると服の裾を掴まれる。

「ジェボム、ありがとう」

そういうとジニョンは両手を広げる。
スキンシップが好きなジニョンのことだ、お礼に抱きしめてくれるのだろ。

「おまえ普段はみんなのオンマなのに今日は甘えん坊だな。」

いつもと違う行動を見て前より仲良くなれた気がした。
仕方がない奴だと思いジニョンに抱きつく。

「本当にありがとう」

チュというリップ音とともに頬に軽い衝撃。

「ジ、ジニョン!?」

驚いてくっついた肌をバッと引き離す。
ジニョンはしてやったりという顔でニヤニヤしている。
マークヒョンのキス癖がうつったのかキスもスキンシップの一部になっているように思える。
だがマークヒョンや他のメンバーみたくスキンシップに慣れてるわけがない。
できてもハグくらいだ。
またキスしようとするジニョンに「やめろ」と怒った顔をしながら言う。
これ以上は俺の心臓がもたない。
それにこれ以上は酔ってる状態でしたくないという気持ちの方があった。
するとジニョンの酔いはまだ覚めてないのか、ポロポロと涙がこぼれる。
しまいには「えーん」と声を上げて泣いてしまった。
何となく罪悪感にさいなまれジニョンの腕を引っ張り抱きしめる。
そして背中をポンポンとあやす様に優しく叩く。
安心したのかスンスンと鼻をすすりながら寝た。


Fin


後日談


ジニョンは飲んだ後のことは何も覚えてなかった。
ジェボムはあのときの自分の判断が間違ってなかったことに安心した。
それからというものお酒の席には必ず二人で出て、ジニョンを監視しているジェボムの姿が度々目撃されるようになったそうだ。

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