NOMAL
□理由
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「遅いなぁ…まぁ、遅れるのはいつもだから慣れちゃったけど。」
遠くを見ながらそんなことを呟いているのは、
最終兵器俺達のメンバーである、フジ。
今日は二人で動画で使用するものを買いに行くことになっていた。
待ち合わせは11時。
只今の時刻、11時40分。
この程度の遅刻ならまだ可愛い方だ。
「ううん、でも今日はいつもより淋しいから、ちょっとだけからかってみようかな」
楽しげにそう言うと、丁度待ち合わせ相手がこちらへ向かって歩いてきた。
「ごめんごめん、寝坊しちったw」
など、語尾に✩が見えるような喋り方で話しかけてきた。
「キヨ、遅い。」
少しだけ怒った風な声で言ってみる。
「もー、ごめんって、
いつもよりは早いじゃん、ね?
……許して?」
そんなことを
少し可愛く言ってくるもんだから、ついつい許してしまう。
「もう、しょうがないなぁ。
まったく…」
などと俺がブツブツと言っていると、
ありがとっ、フジ好き!
といって腕を絡めてきた。
「ちょっ…やめろよいきなりッ」
「なになにー、照れてんの??ww」
「ちげぇよ!ほら、行くぞ、」
いつものように手を繋いだ俺たちは、目的地へと向けて歩き出した。
そのまま仲良く買い物を終え、少しお茶でもしていこう、とカフェへ向かっていた時だった。
『あれ?キヨじゃん!
あ、フジもいる!』
声をかけてきたのは、キヨの知り合い、で
最近俺も仲良くしてもらっている人だ。
『何、買い物?お前らほんっと仲良…』
そこまで言った彼は、突然驚いたような顔をして、こちらを見てきた。