NOMAL

□鈍感
1ページ/2ページ

10月某日。
ぼくたび首脳会議が開催されていた。




「えー、では
ただいまからぼくたび首脳会議を開始します。」



『よろしくお願いします』




「次の行き先、どうする?」



『んー、行くなら寒くないところかな』



「関西とか四国方面?」



『いいかもね、』




そんな業務的な会話をしているのは
ぼくたび首謀者であるえふやんと、運転手であるろー。




「そうだなぁ、四国とかたのしそうだよなぁ」


『四国には有名な温泉もあるし、いいかも。

温泉になるか、彼のおかげで車中泊になるか…』


にやにやしながらそう語るのは、首謀者えふやん。


「くるぶし、本当に運ないからなぁ…」


『ただ、問題になるのが、

有名な温泉旅館だと、当日予約とったりができないこと、かな。』


「うーん…四国で温泉っていう案はいいと思うんだけどね、」


『じゃあ、行き先は四国でいい?』


「うんっ」


嬉しそうに頷く彼は、運転手ろー。



その後、内容、行き先などを暫く相談し、
2時間後。




『だああああつかれたああ!休憩休憩』


そういってえふやんは床に寝転んだ。



寝転んで大きく伸びをするえふやんに、


「次も楽しみだね」


と、声をかけた。



『間違いなく楽しくなるよ。4人ならね』


自信満々に、

嬉しそうに話す彼を見たろーは


「あー、早く行きたいなあああ」

と、目を輝かせていた。

するとえふやんが話をつづけた



『ねぇ、下見にいかない?』


「下見?」


『そう、下見。
まぁ、下見っていうか、温泉旅行?』


「いいね!あいつらも喜ぶと思う!」


『……』



ろーの言葉に、俯き、口が止まるえふやん。


「どうしたの?」


『二人で、行こうよ』


「二人?いいけど、珍しいね、そんなこと言ってくるなんてw」


『まあ、ほら、温泉の雰囲気を知っておくことで、あいつらにも、もっと楽しんでもらえるっていうか・・・!』


あっさりもらえたOKに、喜びを隠せないえふやんは
苦し紛れの言い訳をした。



「そうだね!w
いいよ、行こう

いつがいいかな」


『俺は来週、再来週、空いてる。
ろーは?』


「俺も空いてるよ。」


『じゃあ、来週末にしよっか
予約、とっとくね』


「そうだね。
じゃあ、予約とれたら時間とか連絡して?

迎えに行くからw」


『さっすが運転手!』


「だろ?

たのしみだね」



『うんっ』






「あれ、なんか可愛い...?」







ぼそっと呟かれたろーの一言が聞こえなかったのか


聞こえていたのか




えふやんは

顔を隠すようにうつ伏せになり



小さく

『…早く気付けよ、鈍感。』



と言いながら、携帯を取り出し

SNSに
旅行のことについて、嬉しそうに書き込んでいた。














Fin.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ