花のため息
□歪んだ関係
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良くはないけど、断れてなかったことにその時は満足してしまった。
初めは、楽しかった。
本当は、私だけなんじゃないかと思ってしまったくらい。
お稽古中の、ふたりだけの秘密のやり取り。
二人きりの居残り練習。
その後、彼女の部屋に二人で帰り…
これが、恋人じゃなくて何?
やっと手に入れた。大好きな彼女を!!
最初の変化は、彼女の同期。
組替えが決まって、浮かれる彼女。
「コマから連絡あってん。一番に、私に連絡くれるあたりが可愛いなっ」
「久しぶりに一緒にすると新鮮っ!」
「でも、同期やからかな〜。何年も離れてても息がぴったりやねん。」
案の定、彼女に夢中。
お稽古場を覗くと、びっくりするくらい、顔が近い。
「もう、唇、当たったや〜ん。」ってはしゃいでた。
「今日、お稽古、楽しそうでしたね。」
「ホンマ、楽しい。コマ、やっぱ大好きや。」
その後、楽しそうに全国ツアーに行ってしまった。
どの写真にも彼女と一緒。
お揃いのコートを、破ってやろうかと思った。