駄文其の2

□ポッキーの日
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ポッキーの日


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「なあ兄弟、世間じゃ今日はポッキーの日らしいで?」

真島は、ソファに座る冴島の横に座って話し掛けた。

「なんや、ポッキーってあれやろ、キャバクラとかで頼むとゲームしよて言われるやつやろ?」

「ほぉ、その口振りじゃあ、お前も経験あるっちゅうワケやな?」

真島は、冴島に向かってニヤニヤした。

「…そりゃ、多少なりともあるわ」

「ほぉほぉ、で、どないやった?」

「…何がや?」

「せやからポッキーゲームの成果やんけ!ちゃんと最後までいけたんか?」

「…いや、どうも照れてもうてな…途中で顔背けてもうて…」

「アカンやろが!冴島!!そんな事じゃ大河のタイガーが泣くで!?」

「何やねんその大河のタイガーっちゅうんは…」

「アホか!よし!せやったら今から練習や!」

真島は、こんなこともあらうかと用意しておいたポッキーを懐から取り出した。

「はぁ?…今、ここで練習するんか?」

「せやっ!今からワシはゴロ美やで!さあ冴島、レッツシェアポッキーやで?」
真島は、チョコが付いていない持ち手の方をくわえると、冴島の顔の前に差し出した。

「いや、まだやるなんて一言も言うてへん…」

「…なんや、怖じ気付いたんか?意気地無しやなぁ…」

「…なんやて?」

冴島は、少し真島を睨み付けると、両手で真島の顔を挟み込みグイッと引き寄せた。

「…先に挑発したんはお前やからな…後で後悔すんなや?」

そのまま、チョコが付いている方をパクっとくわえてボリボリ食べ進んだ。

次第にポッキーの長さが短くなり、2人の唇が触れ合う――――





ガチン!




…という音と共に、2人はお互いに口元を押さえて、声にならない叫びを上げる。

どうやら、あまりの勢いに、唇が触れ合うというより衝突してしまったようだ。

「〜〜〜っ!!おい!冴島!!お前の勢いのせいで唇切れてもうたやんけ!」

「そんなん、こっちかて同じやわ!」

お互い、半泣きになりながら顔を赤くして言い争った。


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拍手&お読み戴きましてありがとうございます!

2015.11.11

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