FE 蒼炎/暁 二次

□月の夜の夢想
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純白の上衣がハラリと足元に落ちた。上質の絹糸がキラキラと月光を受けて光る。エリンシアは更にドレスの胸元に手をかけた。

「バカ、そう言う意味じゃない。」

アイクはその手を捕らえる。強い力に、細い腕が引っ張られ、エリンシアはそのまま彼の胸にすがった。

「いいえ、違わない。ではアイク様は、衣を取った私を、どう思って?私は、女王でない私は、貴方が好き。貴方は、もう?」

…あの頃、確かに互いは想いあっていた、互いに口には出さなかったが、そうであったと信じたい。

アイクは、その背に腕を回すのを躊躇っている。

「…お願い、正直になって。最後だから、今だけ、ただのエリンシアに伝えて。」

「言っただろ、壊すしか、出来ない。」

「嘘よ。」

アイクの蒼い瞳が困惑したように自分を見つめる。震える手が、頬を伝う雫をそっと拭う。自然、瞳を閉じる。アイクは、華奢な硝子細工に触れるかのように、そっとそっと、キスをした。

月光が二人を優しく包む。初恋の甘美が感覚になって蘇る。どれくらいそうしていたのか分からない。ほんの少しの時間が、永久を感じさせた。気が付けばアイクはエリンシアを抱き締めていた。

「…抱いて、下さる?もう、乙女ではないけれど。」

「…ジョフレと決闘したくはない。」

「お願い、今だけ、ただのエリンシア。貴方がいってしまうまでに、叶えて。でないと、私、前に進めない。」

「…ここで?」

エリンシアが頷く。火照った身体をマントにくるむ。鼓動が振動のように、身体の芯まで響く。恐る恐る胸元に触れると、その腕に彼女の手がフワリと重なる。

「恐い…な。」

 己の欲望を満たすことは知っても、女性に優しくする術を知らない。一番に大事な人なら尚更だ。壊すかもしれない、だから身を引いた、それなのに。

エリンシアは微笑む。

「安心して。私は、強いから。貴方よりずっと。」

細い指が胸のリボンの結び目を示唆する。弛んだ胸元に武骨な片手を誘導する。柔らかな感覚、傷つけやしないか、己のふしくれた硬い指を恥じる。

ピクリと彼女の反応が伝わる。どうしたら良いのか分からない、ただ夢中で、愛撫を繰り返す。度に声を発さない彼女が、その動きにそって、身体を震わせる。首筋を唇でなぞる。ペンダントトップの付近の窪み。胸。露になった白い肌は、月光に反射して、まるで自体が光を放つように美しい。狂ったように乳房に吸い付き、全身を愛撫する。

と、エリンシアの片手が下腹を繰る。やましさが、行為を制止するも、本能は彼女がこれからもたらすであろう快楽を求めて止まない。

「…よせよ、ダメだ」

吐息が荒く、身体が熱い。彼女の指がバックルを外し、中に侵入する。
ドレスの上から、下腹にそっと触れてみる。柔らかくて、熱い。ぐっと指で押してみる。マントの中の彼女が、激しく仰け反った。

「ごめ…、痛い、か?」

彼女は激しく頭をふった。泣いている。

「違う、嬉しい…の。あなたが優しいから。」

彼女はアイクの方へ、ぎゅっと身体を押しつけた。

止められない。濡れているのがドレスの上からでも判る。裾をたくし上げ、その下を探る。彼女がどうやったら感じるのか、剣の腕を磨くことに夢中で、遊んだ経験は人よりは極度に少ない。

指が彼女の柔らかい粘膜を痛めてしまうのではないか、恐いのに止められない。やがて硬くなった部分を探り当てると、ぎゅっと己を握られる。

「っく…。」

淫靡な感覚__。濡れた指先で、そこを幾度も玩ぶうちに、彼女の内腿が震えはじめ、再び、アイクの胸に寄りかかった。吐息が粗く、上気している。立っていられないのか、彼女の腕をそっと抜き、首元に掛けさせて、抱き止める。
潤んだ瞳で訴えかける。

「もう…きて。」

手順は…分かる。内股を拡げさせる。臀部に手を廻し、少し持上げる。彼女がフワリと浮いた形、そこに固く膨張した、自身を押しあてる。それは、存外にすんなりと受け入れられた。エリンシアは、唇を噛んで、発声を留める。瘧のように震えている。

「何故?」

声を出せば、楽だと聞く。エリンシアは黙って微笑む。
ぐっと腰を入れると、内壁が吸い付き、更に深奥へと誘う。より深くにと、締め付ける。
唇を貪り、獣のように、奪う。恐れていた自分の本性。彼女はそれを、しなやかに受け止める。

絶頂が近づく。彼女から離れねばならない…引き離そうとした時、エリンシアの方からぎゅっとしがみついた。

「…ば、…か。」

精を吐き出した。脱力したエリンシアを再び抱き締める。
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