FE 蒼炎/暁 二次
□毒と薬は紙一重
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…さて、困った。
彼は、言い合いのせいで中途にしていた旅装を解きながら、説明した。
「それ、風邪薬じゃないんだよな。」
「…何なんですか?」
「媚薬。」
「ビ…ヤク?…ナニそれ。」
「うん。」
淡々と説明を続けるうちに、彼女の様子が何かヤバイ感じになってきた。
後で知った話によると、元々、媚薬というのは、それと知って使う方が、効果が高いそうだ。
だから彼の親切は、イタズラに彼女を煽っただけだった。
…そうこうしている内に、寝支度が終わったので、
「どうして欲しい?」
彼に悪意はなかった。
だが、彼女はそうは取らなかったようである。
瞳を潤ませながら、しかし眉を吊り上げて、いいえと首を振った。
「…そうかい。じゃ、おやすみ。」
額面通りに受け取った彼は、さっさとベッドに入ってしまった。