おやすみ、怠惰な奮闘

□怠惰な昼休み
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「うっぜー野球馬鹿!ついてくんじゃねー!
 誰がお前なんかと昼飯なんて…」
「まーまーいいじゃねえか獄寺」
「うるせーぞお前ら」

「あはは…」




お決まりとなっている3人の会話を聞きながら、俺達は屋上へと上がっていく



「な、いいよなツナ?」
「う、うん。俺はいいよ。」
「なっ、10代目!何でっすか!」




突然話を振られて驚くが、爽やかな山本の笑顔に肯定の言葉が出る

獄寺君は納得がいってないようだけど…
俺は、この2人と過ごす昼休憩が気に入っている。

2人と知り合うまで、いや、リボーンと出会うまで
俺は1人で弁当を食べていたから…









いつものように俺達は、屋上のお決まりの場所に座る。

そしてそれぞれの昼食を広げた。





「相変わらず山本の弁当はすごいな〜」
「ハハッ、親父がいつも凝るんだよな」
「親バカっすね。」


父親が寿司屋を営んでいるからか、山本の弁当はいつも手が凝っていて豪勢だ。


「それより、10代目の弁当の方が美味そうっスよ!」

「そ、そうかな?別に普通だと思うけど…」

「ママンが毎朝早起きして作ってんだ。当たり前だぞ。」



話に口を挿んだのは赤ん坊。
ただの赤ん坊じゃない。殺し屋だ。
こいつが激強だってことは、身をもって知っている



「流石10代目のお母さまっス!!」

「はは…。」



何故彼はこうも俺を持ち上げてくるのだろう…。
たまによく分からない褒め方をする時がある。



戸惑いながら獄寺君に笑いかけると、獄寺君が動いた際に何かがチラリと見えた


(? なんだろう)


確認しようと思って、膝立ちをすると、





「え?」




そこには――




「うわっ!!!」

「どうしたツナ!?」
「どうしました10代目!!?」



大声を上げた俺の目線を2人が辿る





「ん?何だありゃ」
「人、っスか…?」







屋上の一角に、人が居た。

並盛の制服を着た、女生徒のようだ
しかし――



「……死んでるのか?」
「ご、獄寺君!そんな…!」



その肢体は動かず、こちらを向いて横たわっている。

最悪の事態を想像したその時、容赦なく後ろからリボーンの蹴りがヒットした



「ぶっ!!」

「んなわけねーだろ。寝てるだけだぞ。」

「10代目ぇ!!」











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「寝てるだけか。よかった〜」

「にしても、何であんなところで寝てるんスかね。」

「風邪ひいちまうぜ。」





一同が再び彼女の方を見る。

その女子生徒は、頭の下に学校指定の鞄を敷いて枕替わりにしているようだ。


目を凝らしてみると、彼女の顔立ちは整っているようで、美人であるらしかった。

スカートから覗く白い脚は、スラリとして長い。






一同がじっと彼女を見ていると、突然リボーンがこんなことを言いだした。




「起こしてみるか。」

「えっ!?」




そう言うやいなや、リボーンは彼女の元へと向かっていく




そして抵抗もなく銃口を向ける





「おい、リボーン!」
「リボーンさん!?」




俺達の焦りも空しく、銃声は轟いた―――

















   
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