□恐怖の始まり
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昨日遅く、男性の損傷死体が発見された。
現場は、ラクーンシティ北西部の被害者宅からほど遠くない廃棄された駐車場。今回発見された被害者によって、先月、ヴィクトリー湖地区内もしくは近辺で発生した、噂の「人喰い殺人鬼」の犠牲者は四人となった。犠牲者達の死骸は、部分的に食べられており、歯形は明らかに人間のものだという。


犠牲者の中には、市にあまねく布告されている夜間外出禁止令を破った者がいる。
これを機に警察が辺りを巡回するようになった。






これらの不可解な事件に、ジルは頭を抱えていた。


実は、その不可解な事件の調査に赴いたブラボーチームが突然消息を絶った。もちろん、こうなってくるとアルファーチームは救出に向かわなくてはならない。今はヘリコプターに乗って、ブラボーチームの救出に向かっているところだった。


アルファーチームのヘリのプロペラが急に下がったので、ジルは燃え上がっている燃料の匂いを嗅ぎ、木の葉の間にくねくねと立ち昇る一条の煙を見た。


チームのメンバーは雑木林を足早にぬけた。針葉樹の枝の下、しだいに視界が悪くなっていく。火災による松と大地の暖かい匂いがあたりを覆っており、一歩進むごとに鼻につく刺激臭が強くなる。


「見つけたぞ、真向かいだ!」


バリーの叫び声に、ジルの心臓が早鐘を打つ。彼らは一斉に走り出し、先頭を行くバリーのところへと急いだ。


ジルは雑木林から出た。その後にジョセフが続く。バリーは、すでに墜落したヘリコプターのところにいた。そのすぐ後ろにクリスとウェスカーがいる。まだ煙が無言の残骸から立ち昇っているが、それもわずかにだ。火災が起きたにしろ、今は鎮火している。




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