かきもの
□おつかいから戻ったら
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「リアム、半分食べて」
ザックはリアムの方に皿を押しやった。皿の上にはチキンのソテーとポテトサラダとブロッコリーが少しずつ食べ掛けで残っている。
「残すなよ、ザック。大した量じゃないだろ?」
リアムはブロッコリーを一つ摘まむと、皿をザックの方へ戻した。
「もうお腹いっぱい」
ザックはフォークを置いて、口元をナフキンで拭っている。
「今食わないと、成長期をガリで終わっちまうぞ?」
そう言いながら、リアムは皿の上の残った料理を平らげた。
やっぱり肉は良い。
「良いよ、太ってボスにダサーイって笑われるよりましだ」
デザートのショートケーキが運ばれてきて、ザックは嬉しそうにフォークを手に取った。
「お腹いっぱいって言葉を3分前に聞いた気がするんだが?」
「デザートは別腹!」
「…別腹、ねぇ」
幸せそうに白いクリームを頬張るザックを見ながら、リアムは少しだけ目を細めて笑みを浮かべた。
「可愛いな、お前」