お題夢

□初雪
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「寒い、寒すぎる」
「そりゃ冬だもん」
「…名前さん、お前のそういうとこ可愛くないと思うぞ」
「可愛くなくて結構ですけど?」
「こんなに寒いのに雪の一つや二つ降らないのが不思議だ。あ、雪、舞い降りるだな」
「はいはい」
2人は他愛もない会話をしながら大学内のコンビニで買い物をする。
2人は葵を含め小学校の時に同じクラスだった関係なのだがたまたま同じ大学に入学し、新と専攻が一緒だったということで話す機会が増えたのだ。



「にしても新くんと葵くんがアイドルか、葉月くんはなんとなくわかるけど…長月くんに関してはノーコメントだわ」
「だろ?笑っちゃうよな」
はっはっはと笑いながら買い物カゴに自分と名前の分を含め5人分の飲み物やらお菓子を入れる。
「こんなもんか」
「うん、会計しちゃおっか」
カゴいっぱいに入ってるお菓子。
その中には名前が小学校の時に好きだったものが入っていた。
「あっ、これ!まだ売ってたんだ」
「ん?あぁ、お前これ好きだろ?」
「えっ!?覚えててくれたの?」
「まぁ、こればっか食べてたイメージだったからな」
反応に戸惑っている間にいつの間にか会計も済んでいた。
「あ、お金」
「これくらいどうってことないそれよりも3人が待ってるから急ごう」


さっきとは違う道からの方が近道なんだとずんずんとあまり人気の少ない所へ進んでいく。
「あ、イルミネーション」
壁に貼ってあったイルミネーションの宣伝用のポスターの前で立ち止まる名前。
ここからそう遠くない所でイルミネーションをやっているというものだった。
「…行く…か?」
「えっ?」
「こういうのもたまにはいいだろ」
「でも新寒すぎて死んじゃうんじゃない?これ夜だし」
あまりに唐突すぎるお誘いに可愛くない言葉しか見つからず、変な返ししかできない名前。
「じゃあ雪が降る前までに行こうな」
「雪が降らなくても寒いもんは寒いでしょ」
「大丈夫だ、雪が降ったって行く。だから2人で行こう」

初雪が降る前に

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