捧げもの

□そういうプレイをご所望です
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『臨也ぁ!!』




玄関を勢いよく開き名前を呼ぶ
家主がいるであろうとこまで突き進み




「どうしたの、名無しさん」

『臨也』




我が彼氏である臨也の姿を見ると安心して、抱きついて




『臨也のバカぁ!!』




泣いてしまった。
と言うのも全ては臨也が悪いのであって…




『どうして静雄に会いに行っては静雄ばっかりイジメるの?』




私は我慢の限界なのである




『臨也はね、臨也は…
私をイジメていればいいんだよ!
と言うよりむしろイジメて下さいお願いします!!




とんだマゾ野郎だなんて思わないでね。私は決してマゾではない。私は変態だ!
それに彼氏なら__臨也になら何をされても、ナニされても良いっていうか、とりあえず静雄に構って私は放置っていうのが許せない!
いや、そういうプレイならそれはそれで嬉しいんだけどっ!


その思いの丈を、臨也の胸ぐらを掴んで揺らし、泣きながら叫ぶ




「いやだな名無しさん、そう言うプレイだよ」

『やっぱりそうだよね!私嬉しい!凄く興奮した』

「静ちゃんに嫉妬した?」

『それはもう、静雄のこと亀甲縛りしたいくらい嫉妬したよ!』

「ぶっ…そ、それは(笑)」




想像してしまったのか、声もなく笑う臨也
笑ってくれるのは嬉しいけど、今臨也の頭の中が静雄のことでいっぱいになっているのが何とも言えない
脳内中の静雄にまで嫉妬してしまうだなんて、なんて心の狭い女だろう
などと思いながら、臨也のその思考回路を断ち切るように抱き締める




「ぐっ…名無しさん、首締まってる…」

『締めてんのよ』




俗に言う、(胸を)あててんのよ のニュアンスで言う
まぁすぐに放しましたけど
むしろ私を締めて下さい!




「こう?」

『もっと強く!』

「…」

『ぐぇ!…あり、がだぎ…じあばせ…』

「これが彼女だと思うと悲しくなってくるよ」




蔑んだ目を送られる
うへぇ、そんな風に見つめられたら照れちまうぜ


飽きたのか、疲れたのか、嫌になったのか
恐らく全部であろうが、すぐに放された
それ以降何をしても無視された


放置プレイですか?私はそこまでマゾじゃないですよ。構ってよ!
しかし、どんなに言ったところで構ってくれないからエロ本でもないかそこらじゅうを探し始めた
きっと書類や本に紛れて1つや2つあるはずだ。見つけたことないけど…




「名無しさん、何してるの?」

『エロ本でもないかなぁ…って』

「そんなところに無いから」

『…』




私の耳は目聡く(?)拾った
その言葉___そんなところに
と言うことはあるってことだよね!
うわぁ臨也でもやっぱりエロ本読むんだ
ちょっと悲しいような。でも健全な男性にとっては必要なバイブルだしね




『ふふふふふ、臨也ってば、どこにそんな物隠してるの?さぁ見せなさい今すぐに。さぁさぁさぁ!』

「そこ」

『どこだ?』




指さされた方を見るが、そこには本が綺麗にたたずんでいる
と言うより先ほどそこには無いと言っていなかったっけ?


もう一度指の先を見る
どうしても私の後ろを指さしているようにしか見えないんだけど…




『あれー、ないよ?』

「何言ってるの名無しさん」

『んー?』

「名無しさんを指さしているんだよ」




なんと!まぁ薄々は予想ついていたけどさ




『えー何で?何で私がエロ本と同等なの?』

「歩く18禁がよく言うよ」

『歩く18禁!?』




まさか臨也にそんな風に思われていただなんて、驚きを隠せないですよ。これでも彼女ですしおすし…




『私が一体何をしたというのだ』

「セクハラ」

『即答!?しかもしてないからっ!』




堂々と嘘をつかれてしまった
セクハラだなんてやった覚えはない
ちょっと待って
臨也は彼氏なんだし、臨也に対する行為は…




「例え彼氏でも相手が不快に思った時点でセクハラでしょ」

『なん…だと…?』




軽くお尻を触るくらいなのに…なんで不快に思うんだ
可愛い彼女にされて臨也も嬉しいはずでしょ
臨也のお尻を触れて私は嬉しいし、臨也も私に触られて嬉しい。一石二鳥でしょ




「いやいやいや、俺別に喜んでないし」

『何で!?』

「何で?じゃないでしょ。第一に俺、される側じゃなくてする側だし」

『いや〜ん、臨也のエッチスケッチワンタッチ』

「うざっ」

『臨也に言われたらお終いだわ』

「じゃあ名無しさんはもうお終いだね。バイバイ」

『いやぁー!捨てないでぇー!!』




捨てられる(物理)ところだった…。
何度言えば分かる!私は決してマゾではない!


楽しそうにクスクス笑う臨也を見て、私もなんだかんだ言って楽しいし、まぁいいかななんて思ってしまった。


で、詰まるところ何で私がここに押しかけて来たのかというと…




『もっと私に構って下さい』




切実に!
放置プレイはそろそろ飽きました
静雄ばかりに構っているのを見て嫉妬するのも疲れました
私は我慢の限界なのです
だからどうぞ今こそこの私めに




『新しいプレイをして下さい!』




私は至って真面目です
マンネリっていけないと思うんだ
ね!だから今こそ新しいプレイをして欲しい
私はもっと甘いプレイが良いなぁ
そうだなぁ例えば臨也が猫耳でも付けて(性的な意味で)ネコになるとか?
良いね良いね!




「死にたい?」

『彼女にナイフ向けるってどうよ?』

「普通だと思うよ」

『普通と言う言葉の意味をはき違えてない?』

「喜んでいるくせに」




だからマゾじゃ(ry




『ねぇ臨也』

「なに?変なこと言ったら刺すよ」

『さっき言った逆のプレイはどうですか?』

「は?」

『だから…』




私が猫耳をつけてニャンニャンニャン
正直そんなこと死んでもするかって感じなんですけど、構って貰うためには一肌脱ぎましょう!


すると意外にも乗り気なのか
どういった手段か分からないけど猫耳を買って来ました。怖い
なんだかんだ言って臨也も私のことちゃんと好きなんだなぁって思う




「何してるの名無しさん」

『ん?』

「ほら、早く付けて」

『うへぇ』




本来なら臨也が…いや、言わないでおこう
やっと構ってもらえるんだから
しばらくはネコプレイなのかな?
それも良いだろう。しかし、臨也が飽きる前に一度だけでも良いから臨也をネコにしてやる!
そう意気込んだ一日でした






END

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