捧げもの

□勝負
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なんでもいいから1度は勝ちたい
そう、あの折原臨也に
先に惚れた方が負けってよく言う。確かにその通りだと思う。だって、今まで何にも勝ったことがない
臨也は私と両想いなんだって、確かめたくて色々と試した。全て失敗に終わり、挙げ句、返り討ちにあったけど…


ひとまず、それはおいといて
今度こそは勝つ!


とりあえず臨也が私にトキメいているのが分かれば、それで良し。先に私がトキメいて、うやむやになったら終わりだけど…
さて、どういった作戦にしよう




「さっきから何呟いてるの?」

『え!?ううん、なんでもないよ』

「なら良いけど…もしかして、また何か企んでいたのかと思ったよ」




ぎくぅぅ!


す、鋭い…いや、私が読まれやすいのかな?
また負けた。いやいや!勝つんだ、私はっ!!





『臨也…』

「なに?」




どうしよう、ノープラン
えぇい、なるようになれっ!!




『好きだよ』

「…」




何いきなり言っちゃってんの私!?
しかも何気に決め顔しちゃったし!
恥ずかしい…




「俺も名無しさんのこと好きだよ」

『〜〜っ、』




臨也の言葉一つ一つに一喜一憂する私
なんて単純な生き物なんだろう
ん?
待てよ、もしかして…また負けた
はい、もういいです。分かりました。私の方が臨也より愛が深いということで…もうそれで良いよ




「名無しさん」

『ん?』

「何を考えているの?」

『何って…』




臨也のことだよ
臨也のことが好きすぎて、私に対して愛があるのか考えていたんだよ




「俺のことだけ考えて」




ふいに抱き締められる




『バカッ』

「名無しさん、」

『何?』

「その上目遣いは誘ってる?」

『!?』




何を言っているんだこの人は!?
で、でも考えようによってはトキメかせることが出来たってことだよね?
私の勝ち?
あぁ、でも…




『臨也には敵わないや』

「何が?」

『ふふ、なんでもなーい』




きっと勝ち負けなんかじゃなかった。
恋愛なんて、したモン勝ち!だよね…?






END

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