捧げもの

□心中お察しします
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『フハハハーー!覚悟するのだ臨也ぁー!』

「…え?」






――…






事件は数分前...
あれはそう、私が遊びに来た直後に起こった




『臨也ぁー、遊びに来ちゃった』

「…」

『あれ?あ、なーんだ。寝てるのか』

「…ん、」

『わわっ!起きちゃう!?』

「ゃ…波江さっ…」

『(#・∀・)ムカッ!!』

「…」

『おい、』

「…」

『なんだ?今のは』

「…」

『彼女の前で堂々浮気宣言か?おい、答えろ』

「…」

『ふぅー…コイツ、殺ってもいいか?』




と言う訳で冒頭に戻る




『フフフ、乙女心は複雑なのだよ』

「うん。だから?」




つ、冷たい…仮にも彼女だよ?
確かに、起きた時いきなり冒頭のセリフを言われたらそうなると思うが…




『そんなの関係ないもんねぇー覚悟しろ臨也ぁー!!』




拳をつくり、臨也の顔めがけて突進しにかかるが敢え無く失敗に終わった。
臨也に手首を掴まれ、抱き締められる。




『…』

「…」

『放してよ』

「放していいの?」




正直、嬉しいから離れたくない
だがさっきのことを水に流すことは出来ぬ!




『離れろ、この浮気者めぇ!』

「浮気?」

『普通は私の名前を言うところでしょ!?』

「名無しさん」

『いや、そう言う意味じゃなくて…』

「?」




説明力Lv10の私にどう説明しろと…?
簡単に言うと、寝言で波江さんって言ってたよ

だよね?
て言うか、私の早とちりってことないよね?
まさか…ね




『臨也、さっき何の夢見てた?』

「・・・」




あれ、私おかしなこと言ったかな?
あからさまに不機嫌になり始めた臨也
夢の中でいったい何が…




「いやな夢だったよ」




臨也が簡潔に教えてくれた夢はこうだった
波江さんに、嫌いなものを無理やり食べさせられる夢だったようだ。しかもその後、静雄にそれを助けてもらったとか…
それはまぁ、なんと言うか…その…心中お察ししますっ!!




『でも良かった』

「どこが。名無しさんのせいで嫌な夢を思い出したよ」

『ふふ、浮気じゃなくて良かった』

「名無しさん、」

『ん?』

「こっちおいで」




臨也が腕を広げる
言われた通り臨也の方へ向かうと、抱き締めて、私を迎え入れてくれた




『臨也?』

「浮気する余裕なんてないよ。
俺は名無しさんに夢中なんだから」

『っ、』




どうしよう、嬉しい
心臓がもたない
あぁもう、私の心中もお察しください!!


なんてね…。






END

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