捧げもの

□助けて下さい
1ページ/1ページ



『静雄さん、付き合って下さい!』

「…は?」




人目を気にせず言う私は決して頭がおかしいわけではないっ!!
とりあえず




『ちょっと、こっちに…』




やっぱり外で言うのは恥ずかしかった。
近くのファーストフード店に入り、落ち着く




「で?」

『はい、あの、そのですね…』




私がしばらく口籠っていると静雄さんの額に青筋がっ!




『見栄をはっちゃったんです』




以下説明


女子高校生によくあることだと思うんです。
最近、一緒につるんでいる友達'sに彼氏が出来ちゃって、話についていけなくなったのです
男子に免疫のない私には彼氏なんて出来るはずもなく…嘘をついてしまったのですっ!!
嘘をついたのが2日前の話し
嘘に嘘を重ねて会話に入ったのが先日
そして今日、友達'sが彼氏の写メを見たいと言ってきたのです
いやーもう本当に…はははっ…
またもや嘘に嘘を重ねることになるが、この際仕方ない!




『という所存にございます』

「なんで俺なんだ」

『男性に知り合いがいないもので』

「はぁ…写メはやめろ」

『それじゃあ…』

「いやだ」

『ガーンッ!!』




これは…ショックだ
静雄さんなら、静雄さんならきっと助けてくれると思っていたのに…




『うぅ…(涙目)』

「うっ、そんな顔すんな」

『静雄さんのせいですよ』




私が責めるように言うと今度は静雄さんが口籠る。
優しい人だからな、
上手くいけば…






――…






なんて思った時期が私にもありました




「だから、友達に正直に言えばいいじゃねぇーか」

『それが出来れば苦労はしません』

「苦労の仕方を間違えてんだろ」




なんだか、若干だけど説教まじりになっていると思うのは私だけだろうか?




『うー、静雄さん』

「なんだ?」

『ねぇねぇ静雄さん』

「なんだって言ってんだろ」

『…静雄』

「…は!?」




うん、やっぱカレカノっていったら名前呼びだよね。
よしっ!




『私のことも名前呼びで』

「…」

『(ニコニコ』

「…名無しさん」

『っ、』

「名無しさん、お前俺のこと男として見てねぇだろ」

『へ?静雄って女だったの!?』

「ちげぇ」

『だよねー(笑)』




あービックリした
なんだったんだろう、静雄に名前で呼ばれた瞬間、全身の血液が顔に集まったような




「名無しさん」

『な、んですか?』




まただ、なんで…なんでやねんっ!!




「付き合ってって言うくらいだから俺のこと好きになれよ」

『え、はっ、』




颯爽と去っていく静雄の背中を見つめる
あぁ、もう惚れたかも
まぁとりあえず…明日どうしよう






END

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ