短編

□何度だって言ってあげる
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「何が不安なの?」

『何が?って、幽は有名人なんだよ!』




私は少し怒気を含みながら幽にあたる。幽は何故私がこんな感情になっているのか分からないといった顔をする。と言っても他の人から見れば無表情なのだろうが…




「だから?」

『だからっ!幽が私なんかを好きで居続ける自信がないのっ!』

「なんか、なんて言わないでよ。お岩さんは素敵な女性だよ。それに、お岩さん以外に好きになる人はいないから」




諭すように私の目を見つめて話す。それでも、私の不安は消えないの




『幽のことが好き。でも…幽の周りには、私よりも素敵で綺麗な人がいるんだもん。不安になっちゃう』




幽は私の髪をサラリと撫でる




「俺もお岩さんのことが好き。俺のことが信じられない?」




そう言った幽は心なしか、悲しんでいるように見える
私は首を横にふる




『信じてる』

「じゃあ、何も不安じゃないよね」

『…』




そうだ。
幽を信じてるんだから、何も不安になることはないんだ。
信じてるのに、何で不安になってたんだろう




『…うん、ありがと』

「また不安になったらちゃんと言って。お岩さんはすぐに溜め込むから」

『うん!』




でも大丈夫、もう自信がついたから。
幽は私を好きでいてくれるんだもん。
だけど…




『また私が不安にならないように、好きって言って?』

「お岩さんが望むなら何度でも」




髪にキスをされ、耳元で




「好きだよ」




そして抱き締められる。
不安になる要素がどこにあるのでしょう。不安になることはない。だって幽が好きだと言ってくれるから。何度でも…






END

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