短編

□いい日のこと
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今日はいい日だと思う。


青い空、

白い雲、

心地良い風。


これだけ揃っていれば、私的にはいい日なのだ。




「あ、お岩さん久しぶり」




そう、この人さえいなければ




「無視?酷いなぁ」

『いやぁ、相変わらずウザイなぁと思って…あと、久しぶりじゃないでしょ』

「俺的には…「いーざーやーくーん」げっ!」




タイミングいいな。
まさしく私の王子様。いや、助け船。いやいや、そう!救世主!




『静雄ありがとう。じゃ、私はこれで!』

「あ?あぁ…」




私はダッシュで逃げた。
あぁ良かった、これで戦闘解除だね(笑)
あ、2人は絶賛戦闘中か…






──…






無我夢中で走っていたからだろう。軽くではあるが人と肩がぶつかってしまった




『っと、すみません。』

「あぁん?」




あれ?
このセリフがくるってことは、まさかあのベッタベタな展開ではありませんか?
だって目の前にはガラの悪いお兄さんたち。私の進行方向を塞いでいるよ
だとすると、これから起きることは安易に予想出来て…




「おうおぅネーチャンよぉ痛かったんだけどぉ?」




こういうのって、あまり刺激しない方が良いんだっけ?




『ちゃんと謝りましたよ』

「あぁん?こっちは痛かった言ってんだよ!もっとちゃんと謝りなっ!!」




わぁー、あなたひ弱なんですね!女の私とぶつかって痛かっただなんて…もやしっ子以外の何者でもないですよ。って…
超絶言いたい!声を大にして言いたい!!でもここは抑えなければならない




『それはすみませんでした。』

「それで謝ってるつもりかよ!」




じゃあどうすれば良いんですかっ!?




「土下座しろよ。ホラッ、土下座っ!」




うわ〜ん!今日は厄日だぁ〜!!



「何してんだ?お岩さん」




おぉ!神は私を見捨てなかった
まさしく今日の救世主は君で決まりだよ、静雄




「ヒィ!へ、平和島、静雄……」

「あ?誰だてめぇ」

『静雄っ助けて!私この人に「失礼しましたあぁー!!」…』

「…あ?」




男共は逃げて行った。
フッ、ザマァwww




「で、結局なんだ?」

『さっきの人に絡まれてたの』

「大丈夫か?」

『まぁ、静雄のおかげで』

「そ、そうか…それは良かった」

『静雄』

「ん?」

『助けてくれてありがとう。静雄大好きだ!』

「は!?」

『じゃあね!』

「あ、おいっ!」




あぁ、今日はいい日だ


青い空、

白い雲、

心地よい風。


そして、好きな彼が私を助けてくれる。なんていい日なんだろう






END

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