短編

□見てみたいんですっ!
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私の好きな人は…ある意味でコスプレ
いや、弟思いということが分かるし良いんだけど
身長が高いこともあり、目立つ




「お、お岩さん今帰りか?」




ちなみに彼は社会人で私は学生
そんな私たちは…たぶん、付き合っているのだろう




『そうですけど』

「家まで送ってやるよ」




微妙に照れながら言ってくるその姿は、大人の人とは思えない可愛さがある




『はい!お願いします』




そう言うと、彼は壊れ物を扱うかのようにおそるおそる私の手を優しく握る
かわりに私が彼の手を強く握る
手を握るという動作一つで照れてしまう私たち


会話はない
ただ手を握って家に帰るだけ
でも今日は




『し、静雄さんっ!』

「な、なんだ?」

『…今、家に誰もいないんです』

「?」

『寄って…行きませんか?』




はじめて自分からの誘い
静雄さんはすっっごい顔を真っ赤にしてたけど
“おぉ”と返事をしてくれた


そして




『どうぞ、入って下さい』

「あぁ、邪魔する」




なにかお茶を出そうかと思ったが私はすぐさま部屋の中へ静雄さんを促す




『し、静雄さんっ!』

「?」




ここまで来たんだ。言わないでどうするっ自分っ!




『ぬ、ぬいでください』




そう言ったときの静雄さんの反応は
まるで、開いた口がふさがらないと言ったような感じで顔を更に赤らめていた
意味が分からないようで
なかなか脱ごうとしない静雄さん焦れったくなった私は、自分から脱がしにかかる




「お岩さんっ、お前っ」

『大丈夫です。静雄さん』






──…






『や、やっぱり似合いますっ』




口を手でおさえ、照れながら言うと




「そ、そうか?」




と、静雄さんも照れて返事を返してくれる
いつものバーテン服も似合っていてカッコイイんだけど、こう言う若者らしいコジャレた感じの服も新鮮でとってもカッコイイ


ちなみに、今日静雄さんを呼んだのは私がお金を貯めて、静雄さんの為に買った服を着てほしかったから
ということを話すと…




「俺、お岩さんに犯されるかと思ったぜ」




って、わ、私そんなに積極的でもないし!発情してないよ!






END

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