短編

□奪われたモノ
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突然 彼が言ってきた




「その首、どうしたの?」

『?』




疑問符が頭の中を走る。
すかさず持っていた手鏡で首を見てみると、まるでキスマークの様に出来上がった…




『ぷっふ…』




思わず笑いが起こるのをこらえる




「なんで笑うの?
…まぁいいや。で、それどうしたの?」




彼、折原臨也は勘違いしたのであろうか不機嫌そうな顔をして、私に問いつめる




『私が他の男と寝たとか思ってる?』




いたずらっぽく私が答えると、彼は口角を上げて笑った




「いいや、思ってないよ。どーせ蚊に刺されたとかでしょ?」




ピンポイントに当ててきた




『なんだ、分かってるんなら聞かなくても良いじゃん』




そしたら彼は黙った

そして小さな声で……




「もし本当にキスマークだったら…」




その後は聞こえなかったけど、…心配、していたのかな?




『心配しなくても、臨也以外に抱かれる予定ないから…』




言って、ちょっと後悔。
恥ずかしくなってきたっ




「可愛いこと言ってくれるね」




顔が赤くなるのが分かる
頬をさわると、すでに熱い




『可愛くなんかない』




精一杯の抵抗
彼に敵わないことは、目に見えている




「可愛いよ」

『〜〜っ、』




そんな風に言われると、抵抗出来なくなる
いや、照れて何も言えないというのが正しいだろう




「さて、お岩さんがそんな風に思ってくれているとは思わなかったから、期待に答えないとね」

『?』




またしても疑問符が走る
その刹那、お姫さま抱っこされたかと思うとベッドへ落とされる




『ま、まさか…臨也……』

「俺のモノだって印をつけて、皆に教えてあげなきゃね。
もちろん、虫たちにも」

『い、いやぁぁー!!』




蚊に首から血を奪われたせいで処女も奪われたという…






END

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