中編

□9
1ページ/1ページ



11月のことをご存じの皆さん
あの後進展があったのです


あらかた予想は出来ていたと思うことでしょう
なんと!
私と臨也さんは好き合っていたのです




『でも、付き合っていないのは何でですか?』

「何で付き合わなくちゃいけないの?」




は?


なんと言ったでしょう、この人は…
私の聞き間違いでなければ“何で付き合わなくちゃいけないの?”って、仰ったような




『私のこと嫌いなんですか?』

「そんなことないよ」

『じゃあどうして…』

「いつ元の世界に戻るかも分からないのに、付き合ったりなんかしたら愛着が湧いて駄目になる。いや、むしろ執着かな?」

『…』

「それにお岩さんちゃんはまだ高校生だし、節度のある付き合いをしなきゃいけないでしょ」

『…』




ちゃんと考えてたんだ
なんだか、嬉しい
でも、そうだね。いつか元の世界に戻ってしまうって考えると、当然のことだよね


少し…


いや、かなり悲しかったりするけど




「そんなことより、今日はクリスマスだからもっと楽しもう!」


『…そう、ですねっ!!』




そんなことよりで片付けられたのには多少傷ついたが、今日はクリスマス
そうだよね、楽しまなきゃ損だよ。
臨也さんもいることだし!




『まずはケーキですかね。お腹いっぱい食べましょうかっ!』

「色気皆無だね」

『そんな私を好きになったのは臨也さんです』

「そうだね」




あ、なんか恋人っぽい
嬉しいな
出会った当初はこんなことになるなんて、思いもしなかったしなぁ(しみじみ




『んー、クリスマスって言ってもケーキを食べること以外で、何をすれば良いんですかね?
臨也さんは何かしたいことありますか?』

「んー、そーだなぁー、じゃあ…」

『んっ!!』




キスをされました
しかも深い方で…




『…っは、い、臨也さん…』

「ん、それじゃあケーキ買いに行こうか」

『〜〜っ、』




節度はどうした節度はああぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!!
と、心の中で叫んだ私。


それは雪降る12月のことでした。






next...

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ