中編
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今回はちょっと、
いやかなり、柄にもなく泣きそうです
だって、今まで一度も外へ出してくれなかったあの臨也さんが…あの臨也さんがっ!!
外出を許可してくれたのですっ!!(ただし同伴で)
ダメだ。目頭が熱くなってきた
『どういう風の吹き回しですか?今まで許してくれなかったのに…』
「別に、とくに理由はないけど」
とくに理由はないけど…あえて言うとすれば
異世界の人間が外へ出たらどういう反応を起こすかを観察♪
ですかね?
「お岩さんちゃん、何か欲しいものとかある?」
欲しいもの
これと言って特にない。
必要なものはすべて臨也さんが揃えてくれてるし、たくさん欲しいものはあるけど、居候の身。あまり我が儘は言えない
『特にないですから、気にしないで下さい』
それにしても、だ
久々のシャバの空気(笑)
念願の池袋なんだ。存分に楽しもうではないか
『臨也さんのいつも行くところに行きたいです』
「それは無理だなぁ」
『なんでですか?』
こんなに我慢したんだ
少しくらいの我が儘は許されるはずだ
少しくらいならっ!
「俺の行くところは必ずしも危険が付きまとうからダメ」
『絶対に?』
「絶対に」
『こんなに頼んでも?』
「どんなに頼んでも」
むぅ
なかなか手強い
どうしたら良いんだっ!
「いーざーやーくーん」
こ、このお声はっ!!
「最っっ悪なタイミング。空気読んでよ。まったく…」
「知らねぇよそんなこと。それより…」
言わずも分かること▽
@静雄さん登場っ!
A静雄さんが標識に手をかけた
Bその標識がこっちに飛んで…
『きたあああぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
と、口に出して叫んだ私。
それは風の気持ち良い9月のことでした。
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