中編
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ピッチピッチ
チャップチャップ
ランランラン♪
なんて陽気になれるはずもなく、気分はどんよりブルー色
臨也さんが未だに、外出を許してくれないからだろうか?いや、違う。雨が降り続けるからだ
『臨也さんはこの雨の中、一体どこへ?』
思わず呟いてしまう
わざわざこんな雨の日に出掛けなくてもいいと思うんだ!
だってホラ、変な音が聞こえるし
ゴロゴロ…
やだよー。こんな日に一人だなんて、謀ったな!臨也さんめ!
ゴロゴロ…
ピカッ!!
『ヒッ!』
うざやのバカヤロー!
あとで絞めてやる
「声に出てるよ」
ゴロゴロ…ピカッ!!
『ひぎゃぁー!!』
決して!決して、雷に驚いた訳じゃない!決して、急に臨也さんが話し掛けてきたから驚いた訳でもない!!ただ、反動で臨也さんに抱きついてしまっただけである
「よしよし、怖かったね」
『こ、こども扱いしないでくださいよぉ』
「お岩さんちゃんにも女の子らしい所があるんだね」
『女の子扱いもしないでくださいぃ』
臨也さんが頭を優しく撫でてくれるから、少し安心した。
そして今の状況を理解する
『(わ、私、なんて恥ずかしいことを…)』
穴があったら入りたい。いや、むしろ穴があったら掘りたいいいぃぃぃー!!
恥ずかしい
直ぐ様臨也さんから離れる
「もう良いの?泣いてもいいんだよ?」
『からかわないで下さい。泣くほどのことのでもありませんよ。』
「えぇ〜、でも雷が怖くて抱きt『わーわー!何もない!何もなかった!』…可愛いと思うけどなぁ」
『はい?』
「可愛いと思うよ。雷に怯えるお岩さんちゃん」
『なっ…は、』
恥ずか死いぃぃー/
と、心の中で叫んだ私
それは雷がなる梅雨の6月のことでした。
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