金髪で血色の瞳のあなた
□忍び寄る影
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side彩乃)
麗)「彩乃、鈴、新しい仕事がはいりました。」
鈴)「えっ!なになに!?」
彩)「鈴、静かにして。それで、
麗奈、仕事の内容は?」
麗)「新選組と一緒に、天皇陛下の身を守ること。私達の存在は、表沙汰にはならないわ。」
鈴)「いいじゃん。いいじゃん。それでこそ忍びって感じ。やる気でてきたーー!」
彩)(まったく、鈴は単純なんだから)
「主にあたし達の役目はなんなの?」
麗)「最近、京で、長州と薩摩が不穏な動きをしているらしいの。私達は、長州や薩摩が、天皇陛下に危害を加えないように、城の外や、屋根裏の中で見張るのよ。」
鈴)「なんか、すっごくおもしろそう!!」
麗)「あっ!それと私達はこれから京へ行って、新選組の方々の屯所に住まわせてもらうことになるわ。」
彩)「えっ!それは無理だよ!だってあたし、、、。」
(無理だよ!麗奈と鈴以外の人と暮らすなんて、なんでか分からないけど、人間は怖い!!どうしてだろう?あたしも人間だし、麗奈も、鈴も人間なのに。まだ父上の事が頭からはなれられないのかな?昔の事を思い出そうとすると、頭が痛くなる。あたしは思い出せない。ものごころがついた時から、
父上には殴られていた。でも気がつくと、父上はいなくて、代わりに麗奈と鈴がいた。この間が思い出せない。思い出そうとすると頭が痛くなる。だから、あたしはあまり昔の事は考えないようにしている。いつか昔の事、すべて知りたいけど、今はまだ知るべき事ではないと、あたしの直感がいっているから。)
麗)「ごめんね。彩乃。これはもうきまったことなの。」
鈴)「大丈夫だよ!あたし達もついてるから。」
彩)「ありがとう。二人がいるなら、頑張るよ。」
麗)「彩乃。絶対に、私達以外の人間に、心を開いてはなりません。いいですね?」
鈴)「そうだよ!彩乃?絶対に心を開いちゃダメだからね!」
彩)「?、、、。分かった。」
(なんで人間に心を開いちゃいけないんだろう?元々心を開くつもりなんてないけど。
いざとなれば、あたしは、剣術が使えるし、麗奈と鈴は槍が使えるから、問題ないけどね。)
麗)「私達にとっての初仕事ですから、気を抜かないように。」
鈴)「わかってるって!この時の為に、小さい頃から、くノ一になる為の稽古をしてきたんだから。」
彩)「そうだね。鈴。」
(鈴の言う通り、あたしはこの時の為に稽古をしてきた。
父上よりも強くなって、父上に勝つ為に。
でも、父上が生きているっていう保証はない。だって、あたしの頭の中に残っている父上についての記憶は、殴られている時しかないから。
いつか絶対に見つけて父上に勝ってみせる!)
麗)「ならば、早速京へ行きましょう。」
彩・鈴)「うん!!」
こうして二つの歯車が動き始めた。