Asteroid Of Continental

□MOVE ・2 ー 地下ー
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 ◆◆◆

 ぐぉーん、、ごごーん、、、

 部屋の灯りを落としたばかりのメイは、遠く響く衝撃音に身を硬くして聞き耳を立てた。そっと灯りを点け直し、上着を羽織る。
 クリスタルと呼ばれる物質がこんなにも音を反響させるとは思っていなかった。集まり始めている島の一つがドームに衝突したのに違いない。
 ドアの横にある通話パネルをじっと見つめ、少し迷っているうちに電子音が鳴りだした。

「はい、、」

『大丈夫か?メイ』

 最近の逃げ腰とは違う、いっそ懐かしくさえある頼もしい声がする。

「はい。音だけ、、ですよね、きっと」

『ああ、問題ない筈だ。誰か確認しには行くだろう。異常が有れば起こすから、眠っていてかまわないよ』

「そっちに行ったら、ダメ?」

 これまでのように、ずっとそうだったように、純粋に守ろうとしてくれるその声に、わざと甘えたくなる。これまでと変わらない、小さな子供が不安を訴える言葉ではあるけれど、意味はもう子供とは言えない。

『心配ならしばらくブリッジで一緒に居るかい?部屋へは、、遠慮してもらうしかないな。最近の君は何をしでかすかわからない』

 声の感じからするとどうやらアイザックは時間があるようだった。ドアの脇にずっと置いたままにしてある椅子にメイは腰を下ろした。

「ふふ、その通りです。アイザックさん、わたし、悪い子に育っちゃったって、、思ってる?」

 やれやれと、アイザックがため息をもらす。それでも彼は通話を切り上げようとはしなかった。

『君とそんな話をするようになるとは、本当に思ってもみなかったよ。、、、本当に、、』

 珍しく同じ言葉を繰り返す。その胸に幼かった頃の双子たちを思い浮かべて。

「もっと具体的な単語を使って話しますか?えーと、つまり、、下ネタ?」

『勘弁してくれ、メイ・リン・ホー。私はあの三人とだってそんな話はしたことはないよ』

「あら、品はいいけどちゃんと受け答えするって、お町さんから聞いてます」

 周りは敵だらけ。情報も筒抜けでは剃刀も戦いようがない。逃げの一手である。
 けれどメイはそれへ追い討ちをかけることはない。小まめに攻撃を、それはストレートだったり不意打ちだったり色々やっているが、二手目、三手目と連続技を出せるほど手練れでもなければ図々しくもなれない。




 
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