自覚なし

□六話
2ページ/3ページ

補習授業を終え、七海と土井先生は手合わせをしていた

「半助さん、手加減せんで下さい!」
「何を言ってるんだ。そういう七海こそ手加減してるだろう」
「つーか 何でチョークなん!?」

次々と投げられるチョークを苦無で防ぐ
そして弾かれたチョークが塀の方へ飛んでいき、何かに当たったかと思うと ドサッという音が聞こえた

「誰かに当たった?」
「予想はつくがな」
「え?」

気になった七海が 塀の外を覗くと、見覚えのある忍者が尻餅をついていた

「あ、この前の…」
「おまえは この前の男女!」
「カチン)」

額に青筋を浮かべた七海だが、なんとか感情を押し殺し(殺気は放っていた)その忍者に話しかけた

「で、何の用なん?」
「それは…!」
「七海?何やってんだ」

その時土井先生が七海の隣にやって来て その忍者を見つけると ため息を吐いた

「またお前か…」
「土井半助!勝負だ!」
「なに、半助さんの知り合い?」
「あいつは諸泉尊奈門。タソガレドキの忍者だ」
「ああ、思い出した
この前の借りを返さんといかんなぁ…」

そう言った七海の目は本気だった

「尊奈門。七海に勝てたら勝負してやる」
「はあ!?」
「まあ 僕は別にいい
この前は本気が出せんかったけんなぁ…」

まあ、そんなこんなで手合わせが開始されたが その勝負はあっという間についてしまい、尊奈門はさっさと帰っていった

「半助さんも 変な奴に目ぇつけられとりますね」
「あいつが勝手にライバルと言ってるだけだ
七海は人の事が言えるのか?」
「人の事やけん言えるとです
さて、手合わせの続きばお願いしますよ」
「……君は本当に17歳?切り替えが早すぎるぞ」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ