自覚なし

□八話
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学園に帰って 僕は自室に籠ってしまった
そうは言っても明日には授業があるけん嫌でも出ないかん。しかも三年生の授業で裏々山までのマラソン

「はあ…兄貴らがなあ……」
「お兄さんがどうかしたんですか?」

突然 天井から聞こえてきた声に 僕は驚きもせんでその声の主に答えた

「何で天井裏におるんですか?山田先生」

僕の声で天井裏から降りてきたんは山田先生やった

「おまえの様子がおかしいと耳にしたもんだからね
何かあったのか?」
「……ちょっと…色々と…」

視線を合わせんように俯いて答えたら 頭に暖かい感覚がした

「え、あの…山田先生…?」
「話してみなさい。生徒に心配かけるのは 教師としてどうかな?」
「……三反田ですね。僕の事話したんわ」

仕方ないと思って 山田先生に話すことにした

「山田先生は 僕に兄がおる事は知っとりますよね?」
「ああ。あの2人はなかなか優秀な忍だな」
「はい…。でもその兄達が……
"敵になる"という情報が入ったんです」
「何!?その情報はどこから」
「兄貴に直接聞いたんです。何処の城かは知りませんけど…」

はあ…と思わず嘆息が出てしまう。何でこうなんのかな…

「敵ということは、恐らくドクタケかドクササコか……」
「兄貴と敵になるとか信じられんけど、これは仕方ない事やけん 僕は兄貴と闘う覚悟をしとかなな」

ふわっと笑って見せたら 山田先生も笑って頭に置いてあった手が離れた

「辛かったらちゃんと話すんだぞ?ここでは私がおまえの父だ」
「…はい」
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