自覚なし

□六話
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今日は休日。七海はのんびりと部屋で読書を楽しんでいた
だがそれも数刻前の事。今は何故か一年は組の乱太郎、きり丸、しんべヱの補習授業をしていた

「おまえら、五車の術は知っとるやろ?」
「習ってないので」
『知りませーん!!』
「(駄目だこりゃ…;)」

七海は頭を抱えた。何故この3人はここまで馬鹿なのかと
ちなみに他の子達はなんとか課題をクリアしたらしく、外で遊んでいる

「…何か胃が痛くなっていた……
五車の術とは、相手と会話の中で心理を突く話術である。ここまで言えば分かるやろ」
『はい!』
「(分かるんやないか…)じゃあ一人ひとつづつ言ってみい」
「汽車の術!」
「土砂の術!」
「愛車の術!」
「待て待て待て!」

ちょっとでも期待した事を後悔する七海
土井先生の苦労が分かった瞬間であった

「土井先生!僕もう限界!」

七海が天井に向かって叫ぶと、土井先生が降りてきた

「私の苦労が分かったか?」
「身に染みてわかりました」

今更説明するのもあれだが 七海が補習授業をしていた理由は、この前色々と心配をかけた罰としてなのだ。だから本来実技担当である七海が教科を担当しているのだ
ついでに言えば、土井先生が七海に無茶振りをしたのも理由にある

「何か、一年は組が馬鹿にされてんのが分かったような……まあ、実戦馴れはしとる見たいやけど」
「黒原先生…それは誉めてるんですか?貶してるんですか?」

乱太郎が聞くと 七海はニヤッと笑い、どっちやと思う?と逆に聞いてみた

「貶してる!」

しんべヱが元気に言ってのけると全員がずっこけた

「しんべヱ!」
「元気に答えてどうすんだ!」
「元気に答えちゃ駄目なの?」
「(将来が心配だ……)」
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