自覚なし

□五話
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「ん……」

ぼやけた視界。天井だけやったら場所も分からん。ただ自分が布団に寝かされとるのだけは分かる

「気がつきましたか」
「……善法寺…」

てことはここは忍術学園の保健室か
いつの間に帰ってきたんやろ……
その前に何で保健室に?

「何で……」
「雑渡さんが連れてきたんですよ」
「………はあ!?」

あいつに!?
僕は思わず布団から飛び起きた
そういえば“ちゃんと帰してあげるよ”
とか言っとったような……
何か気に食わん……次こそ勝ってやる…

「なあ、善法寺……」
「はい」
「さっきからおまえの笑顔が怖いんやけど…;;」

後ろから黒い影が見えるような……;;

「黒原先生が心配だったんですよ」
「は?」

心配って、何で?

「先生は自分が女性であることを忘れていませんか?」
「や、忘れとらんけど…。僕は元プロ忍なんやけん そんな心配せんでも…」
「……はぁ」

それから暫く善法寺から説教をうけた
(教師なのに……)



















「世話んなったな」
「いえ、本当に自覚を持って下さいよ」
「しつこいなぁ…
じゃ、おまえらも無理すんなよ」
『はい!』

保健委員は皆 不運。でもいい奴ばっか
てか 女の自覚とか言うけど 昔から兄さん達に育てられて 女らしくなれって言う方が無理や

「黒原先生」
「あ、大か…学園長」
「何かあったのか?」
「ちょっと裏山で 雑渡とか言う忍者らに絡まれましてね」
「ほぅ…して、お前さんはどうした?」
「え?一緒に居った潮江を先に学園に帰して、そいつらと手合わせというか…」
「そうか
ただ お前さんは女じゃ、無理はしないように!」
「は、はあ…」

何か皆から言われるな…
どうも僕は男とか女ってどうでもいいんよね
努力次第でどうにかなるかもしれんし
あん時は疲れて勝てんかっただけで、今度会った時は必ず……

「勝ってやる…」

負けず嫌いなんよね〜…僕は
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