自覚なし

□五話
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忍術学園

『黒原先生が!?』

五、六年生の叫びに近い声が長屋に響く

「ああ。恐らくタソガレドキ忍者だろう」
「それで、先生は…?」
「わからん…」

申し訳なさそうに文次郎は顔を歪ませる
先生とはいえ 年は然程変わらない

「でも、先生ですよ?大丈夫なんじゃ…」
「気づいてないのか?」

心配する六年生を見て、兵助が言うと 留三郎を始めとする六年生全員が問いかける

「何に…ですか?」
「黒原先生の性別だよ」
「と、言いますと?」
『先生は女だ』

はっきりと言った六年生達に五年生は暫く声が出なかった

「え、女…?」
「黒原先生が!?」
「あんなに格好いいのに?」
「先輩方よりお強いのに!?」
「あんなに口が悪いのに!?」

最後の一言は余計だと思うが……

「それより、大丈夫なんですか?
黒原先生は まだここに来たばかりで、城の事なんて知らないでしょうし…」
「だから心配なんだ
黒原先生の あの無自覚加減もな…」


※六年生が七海の事を女だと知っている理由は、短編の[番外編1]をご覧ください
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