自覚なし

□二話
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今日は休日
七海はきり丸と町に来ていた
現在 2人でおつかいの最中

「ったく…なんであんたも来んねん」
「まあまあ!いいじゃないッスか!」

そんなこんなで八百屋に到着

「あちゃー…今日はおじさんか〜 」
「おじさんで なんか問題あるんか?」
「大有りですよ!あのおじさんって なかなか負けてくんないんッスよ!」

涙目で訴えるきり丸を見て 七海はひとつ溜め息を吐き、「待ってろ」とだけ言って 路地へ入ってった

「黒原先生?」

直ぐに七海は戻ってきたが、さっきと外見が違う

「お待たせ きり丸」
「え…」
「僕だよ 黒原七海」
「ええええぇぇぇぇ!!??」
「しっ!」

きり丸の大声で周りの人達が一斉に2人の方を向く。それをなんとか誤魔化し、路地へ入る

「なにしてんスか!?ビックリしましたよ!」
「悪い悪い…八百屋で負けてもらうんならこの格好かな〜 って思ったんよ」
「その格好で?」

七海の今の姿は
紫陽花が描かれた淡い桃色の着物で 髪の毛は下ろしてある

「相手が男やったら女の格好、逆に女やったら男の格好
その方がなにかと都合がええんよ」
「へぇ〜 」
「ま、とにかく作戦を話すぞ」

作戦を説明し終えると もと来た道を戻り 八百屋の前に来る
八百屋は さっきより多くの人達が群がっていた
七海は人混みを掻き分け、一番前にでた

「いらっしゃい!今日は大根が安いよ!」
「本当!安いですね!」

七海はいつもより高い声(いつもの女声)で店主の話に乗っかった

「じゃあ 大根と馬鈴薯 あと、葱ください!」
「はい!毎度!」
「あ、あの…できれば少し 負けてもらえませんか?」

だがしかし、店主は「負けられない」と断った
それでも頼み続ける七海を見て きり丸が傍に来た

「姉ちゃん…何してるの?」
「きり丸
うん 実はね…この八百屋さんが負けてくれなくて」
「えぇー!じゃあこの後お団子食べに行けないじゃん!!」
「仕方ないでしょ?」

2人の会話を聞いていた他の客達がヒソヒソと話始めた
それは店主を悪く言うものばかりだった

「わっわかったわかった…!半額にするよ!」
「本当ですか!?ありがとうございます!お兄さん!」

七海がトドメの一言を言うと 機嫌をよくした店主が 色々とオマケをしてくれた
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