自覚なし

□一話
1ページ/3ページ

一年生の授業

「おまえら……どこ狙ってんねん…」

今は一年は組の実技の授業中
なんとか冷静さを保っている七海の周りには 手裏剣が散らばっている
的は七海の1m程右側にある

「忍たまのお約束!」
『投げた物は味方に当たる!!』

声を揃えて言う一年は組の良い子たちに 七海は頭を抱え、隣にいる一年は組実技担当の山田伝蔵を見た

「山田先生…いつもこんなんなんですか?」
「そうだな」

その答えに七海は大きく溜め息をついた

「(10歳って、こんなんやったっけ…
先が思いやられる……)」
「七海先生!」

声を掛けてきたのは一年は組の学級委員長、黒木庄左エ門だ

「えっと、黒木…やったっけ。なんや?」
「先生も 手裏剣を打ってみてください」
『さんせ〜!!』

七海は「しょうがない…」と 懐から自分の手裏剣を取り出した

「いいかおまえ達!七海先生の打ち方をよく見ておくんだぞ!」
『はい!』

七海は呼吸を整えると 構えを作り、目付きを鋭くさせた

「はっ!」

シュッ────タンッ!──

手裏剣は的の真ん中に命中
七海は一つ息をはくと表情を戻し、皆の方を向いた

「とりあえず こんな感じかいな。
まあ、後は練習あるのみやな!」

丁度その時 鐘が鳴った
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ