自覚なし

□プロローグ
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とある山道。一人の青年が早足で道を進んでいた

「ったく……そろそろ諦めんかいな」

そう言いながら神経を集中させると、男数人の気配が感じられた

だが 関わるのが面倒な青年は、そのまま道を進んで行こうとしたからな時

「そこのお前、ちょっと待ちな!」

野太い声を掛けられ、早めていた足を止める
青年の前に三人、後ろに三人の山賊が居た

「何か僕に用事でも?」
「命が惜しければ 金目の物を全部置いていけ!」
「ふん。やだね
そんなに欲しけりゃ 僕から奪ってみりぃよ」

山賊を挑発するように 余裕な表情で言葉を放つと、男の一人が声をあげた

「お前ら やっちまえ!」

その言葉を合図に前後から男共が襲い掛かってきた
だが青年は慌てることなく 相手をギリギリの所まで引き付け、刀が降り下ろされる瞬間に 木の上へと移動した

「おっせえな……てめぇらそれでも山賊かよ」
「貴様っ!何者だ!」
「名乗るつもりはなか。
さて、これでも僕はてめぇらよりも強い自信はあんだよ。掛かって来いや」

そう言うと木から飛び降り、山賊の一人の顔面に着地した

「お頭!!」
「失礼。動かんけん岩かとおもったわ
つーかそいつが頭やったんやな」

山賊から降りると、衣服を脱ぎ捨て 烏羽色の忍び装束になる

「お前、忍か…!」
「左様。悪いけど 僕は急いどるんよ
瞬時に終わらせる」

目付きが鋭くなった青年を見て山賊が怯んでいる隙に、青年は五人の鳩尾を殴った

倒れて気絶している山賊を見て 青年は息を吐いた

「弱か〜…」
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