自覚なし

□十二話
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「えー、という訳で 黒原先生は火薬委員会の顧問になった」


僕は今焔硝蔵におる。半助さんが火薬委員会のメンバーを紹介したいとかなんとかで今に至るんやけど……


──じ━━━━━━━━っ


視線が煩い……


「あの〜、黒原先生は火薬の知識は如何程なんですか?」


そう聞いてきたんは二年の池田三郎次。ちなみに火薬ことはそこまで詳しくない。こげんな僕が顧問でいいとかいな…


「そこまで詳しい訳やないけど、常識の範囲内やったら分かるかな」
「へぇ、なんか意外です。てっきり何も知らないのかと思ってました」
「意外で悪かったな…って!きさん失礼にもほどがあるやろうが!!」


久々知め……僕をなんやと思っとるんやろか。男に力で敵わん分、知識と技術で補うしかないんやけん 何も知らんわけないやん…


「え、きさん…?」
「きさんって、」
「なんですか?」


僕は頭を抱えた、何でそこに疑問をもつんや…。つか言われた本人は高野豆腐食っとるし……


「"きさん"というのは…」


あ、なんか半助さんが解説者モードに切り替わったみたいや。まあ僕は説明できんけん丁度いいかもしれんな


「主に九州地方で使われている方言で、標準語だと"貴様"という意味だ」
「あ〜そうなんやね、僕もはよぉこっちん言葉に慣れないかんわな」
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