自覚なし

□七話
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3人は他に見たいものがあるという事で、今は一人
そんでぶらぶら町を歩いとる時、見覚えある人が歩いてきた

「よお」
「兄貴…」

それは紛れもなく一番上の兄貴、忠之だった
でもその顔はどこか暗い

「ちょっと話さんか?」
「よかよ」

なんか、嫌な予感がする……










「で、話ってなんなん?」

近くの茶屋に立ち寄って兄貴と話す。こうやって話するんは何ヵ月振りやろうか…

《聞かれたらいかんけん 矢羽音で話すぞ》
《なんよ。真剣な顔ばしてからに…》

兄貴の表情からかなり真剣な話ってのが分かる
こっちまで真剣になってしまうやん…そんなキャラやないとに…

《俺さ…おまえの敵になる》
「えっ!《何で!?》」

信じられん…。兄貴が……

《俺だけやない、政弘も俺と同じ城に就職する事になったんや》
《じゃ、忍術学園と敵対関係にある城なん?何で!?何で兄貴らがそんな城に》
《すまん…》

もう…なんなん……。何で兄貴が…敵…?
忍術学園と敵対関係…?嫌…そんなん嫌や…
でも 兄貴の目は嘘ついとらん。嘘ついたら兄弟やけんすぐ分かる
これは現実なんやねんから、受け止めんと…

「勘定、置いとくけん」
「七海!」
「じゃ」

僕は逃げるようにその場を去った
なんか、目頭が熱い…
なんなんよ…意味分からん……兄貴は何で僕と敵に…っ

「(いつかはこうなるって…頭では分かっとったとに…やっぱ、いざこうなったら……)」

“おまえの敵になる”

兄貴の言葉が頭ん中で繰り返される。近くの路地に入って壁にもたれ掛かる
耳塞いでも 脳に直接流れ込んできて…

「黒原先生…?」
「っ!三…反田……」
「どうしたんです?何かありました?」

ああ。保健委員の奴等皆優しいわ…
それに人の感情ば読み取るんがうまい

「いや、何でもなか。三反田は買物か?」
「はい。丁度今終ったところです」
「じゃ、一緒に帰るか」
「はい」

なんか、癒される…
三反田とはあんまし話さんけど たまにはこういうんも良いなぁ

「(先生…やっぱり何かあったのかな?)」
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