※初夢をテーマに書いてみました







「あけましておめでとうだ、パパ!」



「シオ⁉なんでお前がここにーー」



シオは俺たちを守るため、月に行った筈だ。
それに今、こいつは俺の事を何と呼んだ?俺の聞き違いでなきゃ“パパ”と呼んでいた。



「俺はお前のパパじゃねぇ」



「?ソーマはシオのパパじゃないのか?」



「ああ」



「嘘だ!ソーマはシオのパパだぞ!」



今にも泣き出しそうなシオにいたたまれない気分になるが、違うものは違う。
更に否定すると、シオはとうとう泣き出した。



「パパの嘘つき〜!」



「はぁ……、だから、俺はーー」



「だって、ママがソーマがシオのパパだって言ってたぞ!」



「は⁉ママ?」



どうやらシオに俺がパパだと刷り込んだ“ママ”がいるらしい。



「おい、シオ。ママって誰の事だ」



「ママはママだぞ?パパ、ママのことわすれたのか?
ママァ!パパがママのことわすれちゃったぞ!」



シオはそう言って俺の背後に向かって叫んだ。
すると、聞きなれた大切なあいつの声が背後から聞こえてきた。



「酷いな、ソーマ。
アラガミに頭やられた?」



「ーー」

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「ーー!夢か……」



「どうかした?悪い夢でも見た?」



「いや……、悪い夢ではなかった」



……あの夢は俺が望んでいる未来で、どんなに望んでもてに入らない未来。



「悪い夢じゃないならよかった。
初夢は現実になるかもしれないからね」



「……そうかよ」



願わくば現実になって欲しいが、そんな未来は来ないだろう。
だが今は、あの優しい夢が現実になることを祈ろう。







拍手ありがとうございました。


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