“徐霊ができる”
黒田さんはそう言った。
ここに居るのが半端な霊能者ならなんとかなったかもだけど、生憎と皆“本物”だ。
そんな人達の前で徐霊が出来るなんて言えばどうなるか…。
「――では、あたくし達は必要ありませんわね」
「そうだな。俺たちも帰るか」
「は?!な、何を言って…」
「そうね、これ以上ここに居る理由も無くなったし」
やっぱそうなるよね〜。
黒田さんは真砂子たちの言葉に動揺が隠せてないね。
ああ、ジョン君オロオロしてるよ。優しいねぇ。
さて、後の三人は――
「リン、撤収だ」
「…よろしいのですか?」
「徐霊は彼女ができるらしいから大丈夫だよ」
「………(意外に黒いなデイヴィス兄)」
さぁ、黒田さんはこれからどうするんだろうねぇ。
まぁ、またヒステリックに叫ぶぐらいかな。
――そう思っていた私の考えを、彼女は見事に覆した。