進撃の巨人
□My home 〜私の帰る場所〜
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さっきまで黙っていた彼は今の状況を冷静に説明した。
そして、ハンジが良い事思いついたとニヤリと笑って見せた。
「てゆーことは、クリスティアナは自分の事をあまり覚えていないんだね。だったら、記憶が戻るまで調査兵団で保護するのはどう?」
「しかし、彼女の家族が心配するのでは?」
「だがエルヴィン。見たところ、彼女は身寄りが無さそうだが?」
なぜそう思う。とエルヴィンが問えば、目の前の彼は指を指す。勿論、私を。私もその指の先を目でたどれば、とんでもないものを見てしまった。
「き、きゃぁぁぁーーーーーーー!」
何が起きたかって?私、上半身裸なのよ。初めて気がついて、とっさに腕で隠す。私が叫んで他の人も思い出したのかエルヴィンは顔を真っ赤に、ミケは下を向いて顔を両手で覆い、リヴァイに関しては自分で言ったくせして右手で口元を抑える。ハンジは、今になって気づいたのかと腹を抱えて笑っている。
「ハ、ハンジ。クリスティアナに上着を…」
「ほいほーい」
私はすぐに上着に袖を通してその上からベットのシーツを体に巻き付ける。
「…ま、まあ記憶を戻すまでなら、ここに置いてもいいんじゃないか(その恰好、余計そそるじゃねぇか)」
「…そ、うだな。それならば、この部屋を使えばいい。ハンジ、クリスティアナに服を貸してやれ」
わかったから男どもはさっさと出てってねー。と明るいハンジ。3人は急ぎ目に出ていった。
「えーっとね。この服、だいぶデカいと思うんだけど…やっぱりデカいね。まぁ、後でリヴァイの財布からちょっともらって出かけて、必要なものを買おう」
鏡を覘けば、私が、というよりハンジの服が映っていた。Tシャツにジーパン。どちらも私には大きくて、なんだか彼シャツ?的なことをしているようだった。だから、ジーパンの裾を折り丁度いい7分丈にした。
ハンジが部屋を出たので私も出た。そうすると、そこにはさっきの3人が待っていた。
「クリスティアナ。このお金を使ってくれ。ハンジとでも街にでも行けばいい。ハンジ、馬車が表で待っている」
了解、エルヴィン。と言ってハンジは先に行ってしまった。
「おい、お前。ハンジから目を離すなよ。お前に迷子になられては困るからな」
「はい。わかりました、リヴァイ兵長」
リヴァイはふっと笑って、気恥ずかしそうに窓の外を見る。