進撃の巨人

□The world 〜その世界〜
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目の前の人達は何やら口喧嘩しているらしい。
やっと光に慣れた目をしっかり開き、起き上がろうと腰に力を入れる。しかし、力は全く入らなく私の試みは結局、失敗に終わる。ぽすん、と音を立て力なく枕に頭を落とす。
そうすれば、4人の内の1人が腕を貸し起き上がらせてくれたようで、やっと目の前の状況を理解する。


「大丈夫か?」


待って、理解できない。今、私に心配するような言葉を投げかけたのはまさか、


「大丈夫なわけないだろう、リヴァイ」


右から聞こえる紳士的な声。さっき私を起き上がらせてくれた人、


「女の子なんだよ、リヴァイ。普通はそろそろ謝るんじゃない」

「…ああ。そうだ、リヴァイ」


中性的な声に、落ち着いた声。左から聞こえてくる。


「わあ、かわいいね君」


やはり私は来てしまった様だ。そう、いわゆるトリップ。これって夢なの?でも、なんとなくわかってた。予感してた。





Story of Me






これは、私の物語。私が自由に創る自分だけの物語。私は、普通に物語を進める予定だった。
しかしどうだ。予定が狂ったどころの話じゃない。これじゃ…


「台無しよ!」


いきなり叫んだ私を、4人は変な顔をして見つめる。そして、右隣の男はやっと声を上げる。


「…ああ、いいかい君?傷は塞がったみたいだが気を付ける方が良い。」


1人が声を上げれば他のメンバーも自然と話しかけてくる。


「ねぇねぇ君、名前は?私はハンジ・ゾエだよ。いやぁ、それにしても君、ほーんとに可愛いねぇ。その目も綺麗!それ、何色?どこから来たの、君?ほらほら、もったいぶらずに聞かせてよっ」


「クソ眼鏡。もったいぶっているのではなく、お前の変な質問に戸惑っているのだろう」


待って。これって本物だよね。だって、ニセモノだったら…私、切り付けられてこの部屋に監禁されているのよ。
でもこれって、非現実的。
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