-音と.雷と.宿命と.-

□第2話【NEXT GENERATION】
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翌日、マグノリア駅。


ルーシィから仕事があると聞き、ナツ達は駅のホームに集まっていた。



「またお前とかよ…足引っ張んなよ変態野郎」


「こっちのセリフだクソ炎…テメェがいるから俺の所為にもされるんだよ!」


「「ああ゙!?」」


「貴様等いい加減にしろ!!」


「「あ゙い…」」


「またやってる…」



いつものように犬猿2人の喧嘩が始まる。

そしてエルザが止めるというパターンに。

ハッピーは魚を食べながら呆れている。


だが集合場所に1人、ルーシィがまだ来ていない。

と3人と1匹が思っていたら…



「お待たせー!」


「おっ、やっと来たぞルーシィ……お?」



ルーシィの声に気付き振り向いたナツ。

すると彼女の後ろに、オレンジ色を見たのだ。


オレンジ色といえば、考えられるのは2人…いや、今となっては1人しかおらず。



「どうしたナツ…ん?」


「あれ?」


『すいません、支度するのに手間取ってしまって…』


「お前は…」


「「「リイデ!」」」


『は、はい! リイデ・テル…です…』



4に…3人と1匹が同時に名を呼んだので、驚きながらもフルネームを零す。


すると前にいたルーシィが、彼女がここにいる説明をしてくれた。



「みんな! 今回の仕事、リイデちゃんも一緒に行く事になったの!

 それだけじゃなくてね…」


『あ、あの…ミラさんの提案でして…

 私 魔導士としても新人なので、皆さんと一緒に しばらく仕事してみたらどうか…と』


「なんだそんなことか…私達には断る理由など無いぞ」


「一緒に頑張ろう、リイデちゃん!」


「仲間なんだ、当たり前だろ?」


「あい!」


「何かあっても、オレ達が守ってやるよ」


『皆さん…』



エルザも ルーシィも ナツも ハッピーも グレイも…

リイデの頼みに 皆【みな】は優しく、頼もしく返してくれた。


そんな温かい言葉に目が潤みながらも、拭って前を向く。



『…ありがとうございます…! 私、頑張ります!

 改めて、よろしくお願いします!!』


「「「よろしく!! (可愛い…)」」」



最後は満面の笑顔になったリイデ。


何人かは可愛いと思っていたとか…



───…



「うおぇ…」


『ナツさん、大丈夫ですか…?』


「いつもの事だぜ。ソイツは乗り物に弱ぇんだよ」


『はぁ…大変ですね…』


「グレイ〜〜“弱い”ってとこ強調してるよ」



ガタゴト揺れる汽車内にて。


ナツは乗り物酔いでダウンしてしまい、その背中をさするリイデ。

グレイは何気なしにナツを 貶【けな】すので、ハッピーがつっこむ。

そんなツッコミを全く気にしない彼だが。


ふと気になった事を、前に座っているリイデに聞いてみたグレイ。



「そういや…一昨日はミラちゃんのとこに泊まったんだってな。昨日は宿か?」


『あ、いえ! 昨日は…───

「昨日はあたしの家に泊まってもらったの!!」


「『うぉっ!/ひょえっ!!』」



リイデの言葉を遮り、ずずいっ!と割り込んできたルーシィ。

隣の席からだったので、驚いた2人は声をあげてしまった。



「あぁゴメンねリイデちゃん…驚かせちゃったわね」


『い、いえ 大丈夫です…』


「ともかく…昨日ミラさんから仕事の話を聞いたついでに、折角だからうちに泊まろうって事になったの」


「へぇー、オレ達にはそんな事言わねぇのにな。

 (昨日ルーシィんち行けばよかった…)」


「当たり前でしょ!?

 リイデちゃんはあんた達と違って! 礼儀正しく可愛いんだから!」


『ル、ルーシィさん…』


「なんで抱きつく」


「オイラもー!」


「………」



ルーシィは遂に席を移動し、リイデに抱きついた。

彼女の膝にのっていたハッピーも、お腹辺りに軽く突撃。

グレイはつっこむのもやめてしまった。


そんな時…



「お前達、その辺にしろ。

 リイデが困っているだろう」


「エルザ!」


「ぐぅお……うぷ」


「(ナツを退かした…!)」


「(ナツ、さっきまで空気だったね)」



唸【うな】っていたナツを、自分の席に捨て…いや、退かしたエルザ。

ルーシィとハッピーを剥がし、リイデの隣を確保してしまった。



「リイデ、今日はどこに泊まる予定だ?」


『え? 宿ですけど……仕事が早く終われば、物件を探そうかと…』


「そうか。では今日、私の所に泊まればいい」


『え!?』


「なんでその流れになるの!?」


「ルーシィ、文句があるのか?」


「いえ、ないです…」


「「(エルザ…)」」


『(ど、どうしよう…)』


「うぷ…」



さらっとリイデに自宅へ泊まるよう強制させ、

しかもルーシィを 雰囲気【オーラ】だけで捩じ伏せた。

リイデはタジタジになっているし グレイとハッピーは唖然としているし、ナツは吐きそうになっている。


とかなんとかしている内に、目的の駅が見えてきたのだった…



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