-黒赤天使の羽は何色?-
□Story.3【大切な約束】
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【ソーマside.】
アイツは、会ってすぐに顔を近付けてきた
そんなの俺ははじめてで…どうしていいかわからなかった
イスカは今まで会ったことないヤツで、俺をさけず ずっと笑ってて…かと思えば、握手も知らねぇで 聞いてくる
…俺も初めてだったが
なんとなく、コイツは【敵じゃない】と思った
他のヤツと会ったことはあるが なにかちがう、と
だから…───
‘ぎゃあぁぁぁ!!!’
「…!?」
何だ…アラガミか…!?
…いや、そんな気配はねぇ……クソッ!!
男のひめいは 今俺が乗っているエレベーターの外から聞こえた
つまり、ちょうど停まった階層から
念のため すぐ対応できるように身構える
「…っ!!」
ドアが開いたしゅんかん、からだが止まった
目の前には 叫びを上げたであろう男がたおれていて
《うっ…ぐ…う……っ》
奥で もう1人いた男は、むなぐらを掴まれて うめいている
俺がとまったのは、それに驚いたからじゃない
むなぐらを掴んでいるヤツが 俺と同い年ぐらいで 黒髪で 赤目で……
「……イスカ…?」
最近知り合って、噂のこともあって避けていた…桐雪イスカだった
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