-黒赤天使の羽は何色?-
□Story.2【死神と天使の出会い】
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「…ちゃんと言え」
『ふえ??』
「てきとうに言うな、ふつうに言え…ほら、もう1回」
『う、うん!えっと…ソーマ、よろしく!!』
「…あぁ、よろしく」
そういうと、ソーマは彼女に手を差し伸べた。
ほんのちょっと、笑顔を浮かべて。
『???』
「俺のまねして、手ぇ出せ」
『あい!』
言われたとおりに、イスカは手を出す。
自分にも差し出された手を、彼はそっと握った。
『ねぇソーマ、これなに??』
「…あくしゅだ。これからは人と“よろしく”したらやれよ、あくしゅ」
『わかった!えっと、えっと…ソーマ!』
「…なんだ」
『ありがとう!』
「!」
手を繋いで…正確に言うと握手をした状態で、イスカは満面の笑みを向けた。
ソーマにとって、なんの偽りもない笑顔を見たのは 彼女が初めてで。
「……あ…あぁ…」
その所為か、どう対応していいか分からなかったらしい。
「良かったね、イスカ」
『うん!えへへ〜♪』
「……」
サカキに撫でられながらニコニコしているイスカに対し、そっぽを向いて黙っているソーマ。
照れたのだろう、その顔は赤い。
お互いにとっても、初めての“友達”ができた瞬間だった。
*