-音と.雷と.宿命と.-
□第0話 プロローグ
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【ラクサスside.】
“お前”を最初に見たのは、潰れちまったギルドから出てった時だ
ファントムとの抗争で、建物自体無くなっちまってな
その頃はオレも、まだ素直になれなかったっつーか……いや、それは今関係ねェな
…オイ、笑うとこじゃねェぞ
……とにかく、オレはあの頃 ギルドに嫌気がさしてた
その少し後に、バトル・オブ・フェアリーテイルなんか始めちまったしな
んな心境で、他の事に目もくれない程 我を忘れていた筈だった
…なのにな“お前”の存在はオレの視線を向かせたんだ
ギルドからしばらく歩いたぐらいに、オレンジ色の髪が目に止まった
オレにはその髪色に見覚えがあった
ジジィの補佐だった“アイツ”と、同じ色だったからな
最初は“お前”を“アイツ”に重ねてたんだろう
だが“アイツ”みてぇな紫色の瞳とは違って
“お前”の瞳は…明るい緑、黄緑で
少し抱いてた期待感が消えちまった
もう見る意味もねェと思ったが、すれ違う時に視線が“お前”と合っちまった
…覚えてるか？
“お前”はただ道ですれ違っただけの人間に、満面の笑みを向けたんだぜ
なんの裏も闇も無い、純粋な笑顔をさ
オレは“アイツ”とは関係ねェ理由で“お前”自身に興味を持っちまったんだよ
…で、お前はどうなんだ？
なァ…リイデ───
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