-神に愛されし者-
□第10夜【黒の教団壊滅事件!?:後編】
1ページ/5ページ
‘ドンドン…ゴゴゴゴ…ガタンッ!’
『───……ん…』
ぱちりと瞼を上げると、見えるのは白い天井。
記憶には無い景色だが よく誰かの付き添い(?)で訪れていたので、
ここが教団の病室だというのは 自然と理解した。
『……っ… (あ…声は…出ないんだった…)』
身体を起こすと、首に痛みが走る。
そういえば 自分は撃たれて、今喋れないんだというのも思い出した。
[ギャリギャリギャリギャリ!]
[ズズン…!!]
『……? (…揺れてる…)』
目覚めた時から続いている、この騒音。
とてもじゃないが、止みそうにない。
なにしろ現在 コムイ室長作のロボット コムリンと、
新入りエクソシスト アレンが追いかけっこをしているのだ。
アレンにとっては、命懸けの。
『(…様子…見に行こう…)』
誰かに じっとしていろ、と命令されていないので、気になっているシナデ。
感情が無いのも相まって、痛みをあまり気にせず ベッドから降りた。
腕に刺さった点滴の針が自然と抜け とてとてと、病院着で歩きだす。
『(…えっと…音は……こっち…)』
ドアを開け 廊下を見やり、左から轟音が聴こえることに気付いた。
振動で上から粉が降ってくる中、裸足のまま 小走りで駆けていく。
扉を閉めるのを忘れて。
*