-神に愛されし者-
□第5夜【初めてのお買いもの】
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「じゃあ シナデがここに来たのは、次の任務の為なんですね」
『…うん……ポテンツァっていう町が…次の任務先…なんだけど……同じ南イタリアだから…』
「…神田も同じ任務なんですか?」
「………」
『…うん…室長が…出発する時言ってた…から…』
「そうですか………チッ」
「文句あんのかテメェ」
「いいえ別に」
「(お二方…)」
『[ガサガサ]…いただきます…[もぐもぐもぐ…]』
場所は未だに駅のホーム。
というのも、目的地への汽車待ちで留まっているのだが。
ついでなので、アレンにも彼女がここにいる理由を話しておいた。
そしてまた神田との間に火花が飛び散る。
トマは冷や汗をたらし、シナデは持っていた鞄から お弁当を出して食べている始末。
正直…収集がつきません。
因みに3人は、真ん中がシナデ その両隣が神田とアレンでベンチに座ってます。
シナデを挟んだ状態でバチバチと…彼女は食べるのに夢中で気付く筈もないが。
でも、やっぱり静まるキッカケになるのは…
『[もぐもぐもぐ…]』
「「………」」
『[もぐもぐ…]』
「(あぁ…ご飯を食べてるシナデ、可愛いです…!)」
「(…食べるの好きだよな、コイツは)」
シナデの存在、なのである。
「(…先程までの険悪な雰囲気が…消えた…!?)」
トマはかなり驚いていた。
───…
そんな他愛もない話やら何やらしていたら、ポテンツァ行きの汽車が到着。
今からこれに乗れば、明日の朝には着く予定。
「それじゃあシナデ、任務気をつけてくださいね。
僕達はイノセンスを届ける為に、教団へ戻ります」
『…うん…アレンも…トマも…気をつけてね……ありがとう…』
「! いえ…エヘヘ…」
「恐縮です、ミワタヅミ殿」
「おいシナデ、行くぞ」
『…うん…じゃあね…』
「はい、いってらっしゃい!」
アレンとトマに向けて小さく手を振り、踵を返して汽車に乗り込む。
シナデの背中を見つめながら、アレンは寂しそうな 悔しいような顔で見送った。
───こうして、2日間の休日は幕を閉じた。
次の幕開けは、神田とシナデと__との任務。
*
【おまけ】
神田「…そういやお前、後1人誰か知ってんのか?」
シナデ『…ううん……現地合流っていうのは…室長が言ってたけど……
「誰かはお楽しみ♪」…って…』
神田「チッあの野郎…やっぱ帰ったら刻む」
シナデ『…一体…誰なんだろう……あ…』
神田「どうした?」
シナデ『…室長が…「ヒントはね、君達がよく知ってる子だよ!」…とも言ってた…』
神田「………」
シナデ『…神田…?』
神田「…なんでもない (嫌な予感しかしねェ)」
シナデ『…うーん…?』
【To Be Continued…】
*